はじめましてに代えて

醒めている祈り

―― わたしの言葉は、いつもここから始まります。


窓 辺 の ヒ エ ラ ル キ ー と 、

桃 色 の 下 の 秘 密


凛として、静かに





​スーパーの片隅、

100円以下の投げ売りコーナーで見つけたあの日。


使い捨てのビニール鉢から、

青紫の花に似合う白い鉢へとお引越し。


「ここにいていいんだ」

と安心したパンジーは、

今、凛として静かな佇まいを見せている。


隣では、

ヒヤシンスが自分の時をじっと待つ。




陽気なシスターズと、新しい棚の誤算





​そんな静寂を破るのが、

我が世の春を謳歌する「親指姫シスターズ」。


ちょうどパートナーが

「みんなの居場所を」と

棚を組み立ててくれたけれど、

思わぬ誤算が。


意外とみんな背丈があって、

2段目以降には収まりきらない。


​結局、

最上段を独占することになったシスターズは、

さらにタカピーな風情






​ついに3本揃って開花し、

我が世の春を、

高らかに歌い上げる。



​キッチンでの格闘


その喧騒を背に、

わたしはキッチンで格闘していた。


あるインスタグラマーさんの

「豆腐と米粉のトースト」。

これまで一度も成功したことがない。


今日は

米粉をオートミールに変えてみたけれど、

生地は案の定、

収拾がつかないほど「ゆるゆる」に。


そこで発動したのが、らいむ流の荒業。

卵焼き器にバターを敷き、

強引に形を固めて焼き上げる。


羅漢果と塩をひとつまみ。

これでようやく、

味だけは「正解」の場所へ。






幕が閉じる前の、秘密の共有



12時25分。

親指姫シスターズのリサイタルの幕が閉じるまで、

あと一時間。


ステージ上のシスターズが、

こちらを見てヒソヒソ。


​「ねえ、あのハムの下。

絶対、何か隠してるわよね」

「秘密のシワがあるはずよ……クスクス」


​そうなの。

パンの表面のしわしわは、

2枚のハムでそっと隠したの。


​秘密をハムの下に閉じ込めて、

わたしは彼女たちの笑い声と一緒に、

美味しい朝をいただいた。


いつか、

パンジーやヒヤシンスの静かな歌声も

聴ける日を楽しみに待ちながら。