はじめましてに代えて

醒めている祈り

―― わたしの言葉は、いつもここから始まります。





​昨日の午後7時。


本当ならここに、届きたてのクリスマスケーキと、新しいアラジンのトースターが並んでいるはずだった。


けれど、トースターは今、冬の物流の波に揺られながら、とある地方の集約センターで一休みしているようだ。


「12月30日までに、あるいはそれより早く」。

画面の中の文字を見つめながら、ふっと今朝の空を思い出す。






06:30、厚いグレーの雲に覆われた東の空。


いつも朝日が昇る場所は、雲に抱え込まれていて見えない。

でも、朝そのものは諦めていなくて、

「そこが塞がれているなら、ここから行くね」と、端っこから静かに、でも確かに光が溢れている。


​予定通りじゃなくても、正面突破じゃなくても、ちゃんと始まっている朝がある。


むしろ、端っこから差す光のほうが、見つけた人だけのご褒美みたいで、やさしい。


雲は重たいけれど、空は閉じていない。

わたしの朝も、ちゃんと開いている。






西の空の淡いピンクに「よくやってるよ」となだめられる。






そして、東の空の雲の縁から少しずつ体温を配る太陽には、主張とは声を張ることではないと教わる。





07:30。

急に「年末だよ!やるよ!」と前のめりになった東の空の元気さに「うわ、元気すぎ……」と一歩引きながら、自分のペースを再確認する。


​ケーキは一日遅れで届いた。





トースターは、あともう少し。

「今、頑張らなくてもいいよ」と胃袋へ、そして心へ。


蒸籠の湯気の向こう側で、届かない時間さえも「余白」として味わう。





​そんな、私らしい年末の始まりだ。



この二日間は、空が重たくて、わたしの心も体もどこかへ迷い込んでしまったようだった。


低気圧が連れてくる、あの何とも言えない心細さ。

ひょっとして悪い病気なんじゃ……なんて、暗い雲の下で小さくなっていたけれど。


今日のわたしは、今日の空のように晴れやかで軽い。