✦沈黙の庭









湖は、まだ光を抱いている。
静けさの奥で、
無数の波紋がゆっくりと息をしていた。

居場所を探していた日々もあった。
けれど今は、
光と影のあいだでただ座っているだけでいい。

声を失った音、
言葉にならなかった想い、
響かなくても確かに在るやさしさ。

それらが少しずつ溶け合って、
湖面に広がっていく。

誰かが拾うかもしれないし、
誰にも届かないかもしれない。
それでもいい。

沈黙の庭は、今日も呼吸している。
その波紋のひとつひとつが、
私という“今”のかたち。