『ミクニの奇跡』 三國清三、夢とチャレンジの軌跡
最近読んで面白かったので紹介します。実のところフランス料理なんて食べたことないのでが(笑)
料理人の話しは面白いです。
『ミクニの奇跡』
フレンチの世界で有名なオテル・ドゥ・ミクニの三國清三、彼は漁師の家に生まれて畑仕事を手伝いながら育ち、高校に行くだけの学費が無いがために中卒で丁稚に出、そこで調理師学校に通い始めたところから料理人の道が始まります。
この三國、帝国ホテルのパート勤めで鍋磨きばかりさせられていたのを総料理長の村上信夫が大抜擢して20歳でスイス大使館の料理長として海外赴任します。大使夫妻は若すぎるからと断るも、村上は「和食も中華もフランス料理も全部こなしますから」と言い切って決めてしまう。帝国ホテルでは鍋磨きばかりだったのに・・・(笑)
赴任早々、大使就任のパーティでフランス料理のフルコースを出さなくてはならなくなり、、、(以下略)
次々にでてくるエピソードに引き込まれていきます。大変面白いです。
- 松木 直也 著
- ミクニの奇跡 新潮文庫
『帝国ホテル 厨房物語』
鍋磨きばかりやってた三國をいきなり海外に送り出したこの村上信夫、忙しいときたまに三國が調理場を手伝って魚に塩を振る姿を見て、これは大丈夫と判断したそうです。「料理を作らせなくても分る。塩の使い方を見れば、」
その村上信夫の話も、これまた面白いです。
戦時中、出征することになった村上、それを気の毒に感じたのか、このとき先輩料理人たちの何人もが彼らが秘密に守ってきた自分の料理の秘密をこっそり教えてくれたのだそうです。ポテトサラダのじゃがいもを茹で上げたら熱いうちに酢であえるとか。これはこの本とは別にどこかで聞いたことがあるかも。
村上 信夫 著
- 海老沢 泰久 著
- 美味礼賛 文春文庫
『美味礼賛』
そして戦後、当時の日本ではフランス料理というにはほど遠かったところに本物のフレンチを浸透させていった辻静雄の話。村上信夫と並んで日本のフレンチ発展の双璧をなす、いまでも有名な辻調理師専門学校の創設者。もともとは新聞記者で、取材で知り合ったお嬢さんとくっついてしまう。そのお嬢さんの父親が料理学校を経営していたところから料理との付き合いが始まる。その義父に巨額の費用を都合してもらい、本物のフレンチをものにするために海外の名だたるビストロを毎日毎日吐きそうになるほど食べて歩き、舌に味を叩き込ませて帰国し、その本物のフレンチを日本中に伝道していく。
インパクトのあるテレビCMで話題になったエコール・キュリネール国立を創立する際のエピソードや、出演していたテレビ番組「料理天国」のことも書かれている。

