「最後の宦官秘聞・ラストエンペラー溥儀に仕えて」

 

著者は中国の研究者で、直接、宦官の孫耀庭さんに聞いて書いたもの。

小説の形になっている。

 

1902年に生まれ、8歳で去勢し、15歳で北京に出て、皇族邸で1年仕えた後、

紫禁城に入り、皇太后、溥儀の皇后に仕えた(西太后はすでに死去してて会ってない)。

皇帝が紫禁城を追い出された後は寺にいて、満州国が出来た後にも溥儀の側で仕えた。

結核になり、北京に戻り、寺の管理をしていて、その後の革命、文化大革命もなんとか

しのぎ、そののちは、波乱の歴史を知る国宝的存在としておだやかにすごし、

94歳で1996年に亡くなる。なんてすごい一生・・・

 

 

本人の話なので、なんとも詳しくリアル。

写真、図面も多くて、とても読みやすい本だった~

 

当時の宮廷の雰囲気や、仕えた皇帝や皇后、皇太后の生活も性格も・・・

映画「ラストエンペラー」とは、少し違うかな。。まったく違うってこともないかな。

 

皇帝については、3歳で皇帝になるという異常な世界に住んだら、そりゃまともな人にはならないので

仕方ない面も。男色で、女性には・・だったそう。やっぱり。

 

宦官の生活についてももちろん詳しくて生々しい。

なり方も、いろいろな本で調べたのよりなによりはっきり書いてある。

すごいわ、そのやり方でよく生きていられたわ。

 

宮廷の生活も、中国ドラマのように、華やかで優雅で陰険なだけではないわね、下々は。

 

宦官の末路も、生々しい。アヘンの蔓延も禍々しい。

パール・バックの小説を思い出す。

溥儀の自伝も読んだけど、こちらの方が真実、なんだろう。