繁田信一著。

 

タイトル見て、お話のかぐや姫についての考証かと思って借りたら、

実在のお姫様の一生についての本だった。

そういえば、歴史のコーナーだったな。

 

「かぐや姫」と呼ばれたお姫様は、藤原千古(ちふる)。

父は藤原実資(さねすけ)、右大臣になるお金持ちの上級貴族。

父は藤原道長と、はとこかな。

 

父55歳の子で、溺愛されてて・・・これがわかるのは父の日記「小右記(しょうゆうき)」のおかげ。

道長・頼通が権勢をふるっていた時代。

この日記にだけ「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」の和歌が載っているそうで、

ほほー

 

3歳くらいから日記に登場して、祇園祭の行列を、娘にねだられて見物したとか

書いてあるそう。

 

メインは結婚の話で、2回の縁談はうまくいかず、3回目で無事19歳で結婚。

相手3人はみな藤原道長の家系。

娘を生んだ後、27歳で死去。父の方が長生きだった。

 

 

彼女の話を軸に、当時の貴族の娘の結婚事情が語られる。

彼女は父が長生きで良かったけど、当時、若く父が亡くなり残された姫は大変・・・

天皇に嫁入りどころか・・・誰とも結婚出来ず、道長の娘たちの女房(奉公人)にさせられる有様。

財産も他人に横取りされたりと・・・悲惨なことに。

同じ藤原家なのに、シビア~~

道長の兄の娘、道長の姪になる中宮定子の兄の娘、が可哀そうな目に。

 

父の日記なので、詳しく娘のことが書いてあるわけではないのだが、

溺愛してたのはよくわかる、って面白い。

当時の貴族女性の生活がわかるって、貴重かな。