佐藤賢一著。
1852年、マシュー・カルブレイス・ペリーは東インド艦隊司令官に就任した。アジア航路確保に向けた日本の開国と国交樹立が任務である。57歳と退官間際だったが、英雄的軍人だった兄へのライバル心と、世界における祖国の優位性確保のため大任を引き受けたのだ。彼はオランダを頼っては有利な条約を結ぶことは難しいと判断。長崎の出島ではなく、江戸への入港を計画する。翌年、エド湾からウラガという町の沖に船を進めたペリーは、武力行使をちらつかせジャパン政府との交渉を優位に進めるが、そこに開国を迫る世界各国と幕府高官が立ちはだかった…。黒船襲来で騒然とする中、世界では何が起こっていたのか?知られざる英雄ペリーを初めて描き、世界的な視点で幕末史を塗り替える、著者渾身の歴史小説。
ペリーの伝記を元に、ペリー側から見た「黒船外交」を描いている。
当時のアメリカが、あまりに今と同じでなんだか不思議な印象。
大統領選挙とか、議会の承認とか。
日本は江戸幕府だったんだもの。
でも当時の幕府の役人が頑張ってたのがよーくわかった。
理解せず、「攘夷」と叫んでたものも多かったのにね。
彼のおかげで(せいか?)、開国⇒明治維新になっていったんだろう。
イギリスには、日本はただの小国に見えて重視しなかったみたい。
アメリカが、アヘン戦争を起こしたイギリスよりまともだったのが、日本の幸運だったかな。
当時の中国をみるとそう思えて仕方ない。
それにしてもアメリカの開港目的のひとつが、捕鯨船の補給基地ってのが・・・ヤレヤレな感じ。