図書館にこんな本があったので借りてきた。
前から気になってた宦官、この本では中国の宦官について書いてある。
歴代王朝の史書に残る宦官の行状のものすごさ。
韓ドラ史劇のやさしげな内官の雰囲気はまったくなし。
皇帝のわがままに振り回されたり、
皇帝を操り、次の皇帝を自分の都合で決め、他は殺す。
権力に近づきたい人からのわいろで大金持ち。
でもやがて別の宦官や勢力に滅ぼされたりも多い。
作者は中国の大学教授ご夫婦。
歴史。
・商(殷):宦官を表す甲骨文字あり。
・周:刑罰としての宮刑始まる。
・秦:宦官が2代皇帝を自殺に追い込む。
・漢:後漢王朝には1万人以上の宦官。
・唐:晩期の10人の皇帝のうち、8人は宦官に擁立され、2人は宦官に殺害される。
・明: 宦官総数は7万人。
・清:宦官の権力を制御。
宦官のなり方も方法は4種類くらいあるのね。
完全に去勢にならなかった場合もあるとか。幼児にすると復活することもあったらしい。
人数がすごくて、妃や女官が多くなるほど世話する人が必要なので
10万人なんて時も!(もちろん高官だけが豪勢で残りは下働き)。後宮の女性も何千人もいたとか。
まーー中国の数はちとオーバーな感じもするが、
でかい国なので実際に多かったのかな~
韓ドラでも緑の官服は皆宦官だから結構いるよね。
いかにして宦官が権力を持ち、皇帝を操り、国を弱めたか・・・
だいたいにおいて王朝の後半、皇帝の力が衰えた時に宦官の勢力は高まる。
なぜこんなに権力があったかというと、宦官が軍部も掌握できたから。
原因は。
・皇帝が子どもの頃から仕え、日夜一緒に過ごすので、孤独な幼い皇帝は身近に感じて頼る。
・・・なのに裏切る宦官多いのは可哀そう。
・官僚、外戚と闘うには、宦官の力を借りるのがいい。・・・コントロール出来るかだね。
・出来の悪い皇帝は女遊びなどに夢中で政治は宦官に任せる。・・・ように宦官も持っていく。
・幼帝の場合、母が権力を握るが、女性は直接政治を行う事が出来ないので
宦官の橋渡しが必要。・・・この場合も多い。外戚が強ければ闘いが始まる。
うまくコントロール出来る皇帝ならいいけど、だんだんろくでもないのになっちゃうからね。
そうそう、元の奇皇后の話も登場!
皇后のそばにも宦官あり。
同じ高麗人の宦官がいろいろ暗躍したみたい。
ドラマのジウォンちゃんのような感じじゃなくて、権力を狙ってたそう。
あっジウォンちゃんも後半はそうなるの?でチャンウク君は・・・なんだ・・・
でも「やらなければやられる」世界だったろうから、仕方ないことでもあるかも。
妃同士のえげつない闘いは、中国の歴史の中にいっぱいあるもんね~