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著者:藤 水名子
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「王昭君」について
前漢・元帝の宮女。生没年不詳。名は牆(しよう),昭君は字。《漢書》匈奴伝によると,前33年匈奴との親和政策のために呼韓邪単于(こかんやぜんう)に嫁がされ,寧胡閼氏(ねいこえんし)と呼ばれて1男を生んだが,呼韓邪が死ぬと正妻の長子復株累(ふくしゆるい)単于と再婚して2女を生み,その地で死んだとある。後世多分に潤色されてさまざまな哀話を生み,ことに元の馬致遠が戯曲《漢宮曲》を書いて以後,彼女は悲劇のヒロインとして定着したきらいがあるが,《漢書》の記録が史実のようである。
宮女:後宮の女性
寧胡閼氏(ねいこえんし):胡の国を安寧にしてくれる皇后という意味
中国4大美女の一人(4人は西施、王昭君、貂蝉、楊貴妃)
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小説としてとても面白く読みやすかった。
史実としては、あまり記録が残ってなくて悲劇の美女として有名。
↑には載ってないが、有名な伝説があって。。。
「後宮に入ったが、わいろを贈らなかったので宮廷の絵師に醜く描かれ
皇帝の目にも入らず、絵から野蛮な匈奴の妻に選ばれる。
挨拶で初めて皇帝に会い、皇帝はあまりの美しさに愕然とするが、すでに遅く
泣く泣く異国に送る。父の妻を死後、子どもの妻にもするという匈奴の慣習が野蛮と言われて
同情された」と言う事で、ほとんど記録にないのに絶世の美女と思われている。
今回のお話は、上の常識をくつがえすストーリー展開で
窮屈で不毛な後宮を捨て、自由な世界へ羽ばたく現代的な女性、
情熱的な王の愛を受け、愛する一女性の一生として描いている。
実際はどうだったんだろうね~とも思うが・・・