1. 通貨安の必要性
この30年間の経済停滞の最大の理由は円高だと私は主張し続けてきた。
しかし、そのたびに「企業が海外進出しているのだから、もはや円安など必要ない」「輸入品価格が上昇し国民の生活が苦しくなる」「弱い通貨を望むなどは非国民だ」など反対論が噴出した。
一方、トランプ氏は「ドル高(自国通貨高)が問題だ」と一貫して主張している。
景気浮揚のためには自国通貨安がいかに必要なのかを熟知しているのだ。
トランプ氏の言動を見て私の主張が正しいと理解してくれる政治家や識者が増えることを望む。庶民派ぶって「円安で輸入物価が高くなると国民の生活が大変だ」などと主張していると、日本は沈没してしまう。
いまさら手遅れかもしれないが。
2.ブルムバーグ記事(年内1㌦=124円?)
トランプ氏が自国通貨安(ドル安)を望んでいても「望みがかなうか?」となると話は別だ。
実力より弱すぎるドルを更に弱くするのは大統領でも無理だ(反対<弱すぎるドルを強くするのは>は可能)。
ところで2月10日 10:57 JSTに発信されたブルムバークの記事に(ドル/\相場のレベル以外は)全く同意だ。
私は年内のドル/円相場は1ドル=124円ぽっちでは済まないと思う。
次元の違うドル高/円安だと思っている。
「為替相場に関するトランプ政権の発言について、シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ブイター氏はこう評価した。
外国為替取引で世界首位のシティグループは、ドルが今年上昇すると予想する。
ブイター氏は『トランプ政権がドル安誘導を試みてどれほど激しく揺さぶりをかけても、市場が米国でのかなりの規模の刺激策と一層の金融引き締めを想定しているのなら、ドル相場は短期的にふらつくかもしれないにせよ、他の主要国通貨に対して1つの方向にしか進まない。それは上昇だ』と語った。
シティはドルが年内に対円で1ドル=124円に上昇し、対ユーロでは等価を超えると予想している。
ブイター氏はトランプ氏について、
『為替相場の経済学の基礎をおさらいするのがよいだろう』と指摘。
世界の他の国々や地域が引き続き概して金融緩和のモードにあり、米国では拡張的な財政政策と金融の引き締めが見込まれる中で、『自国通貨下落の想定はできないはずだ』と話した。」