.今後のマーケット
FRBの政策会合で来年の利上げ速度に言及するか否かが注目点。強い米国経済を反映して何度か利上げすることを言外に示せば、ドル円は一段高。私は数度の利上げの可能性に言及すると思う。
たとえ言及しなくても、このマーケットの流れ(ドル高円安、長期金利上昇)は極めて強い。すぐ勢いを取り戻す。マーケットの流れには逆らわないほうが良い。
何度も言うようだが10年に一度の大チャンスだ。ディーラーでないのが悔し~~~い。
3.為替予約コスト急上昇は強烈な円安要因
昨日の日経新聞に「為替予約コスト急上昇 輸出企業の円安恩恵減殺」という記事が載っていた。この記事は教科書的には正しいが、実務上では?がつく点もある。為替予約コスト急上昇は、「輸出企業の円安恩恵減殺」ではなく「強烈な円安要因」であり、円安を加速し輸出企業に貢献するのだ。
輸出企業にとって円安はよい。たしかに以前と変わらない予約行動を取っていれば、その恩恵は減殺されるだろう。その意味ではこの記事は正しい。しかし輸出企業は、このようなとき、予約を取る時期を遅らせるのが通常だ。即ちヘッジの先物のドル売りを遅らせるのだ。先物のドル売りは直物のドル売りを伴うから直物市場でのドル売りが減る。したがってドル高/円安要因となるのだ。日米金利差が開くと、ドル高/円安となる理由の一つだ。
今後とも日米金利差はますます開いていくだろうから、円安の流れは強烈だろう。
なお詳しくその仕組みを知りたい方は「藤巻健史の実践金融マーケット集中講義」(光文社新書)をご参照ください。メガバンクが新人教育のために大量購入してくれた本であり、私が一橋大学経済学部と早稲田大学商学研究科(大学院)で教えていたときの教科書でもあります。