異種格闘技戦⑤朝からできないことだらけ。 | それでも地球はまわってる

それでも地球はまわってる

2010年1月に人生初めての手術を受けました。
卵巣がんⅡа期でした。
術後治療のため2010年5月まで6クールの化学療法を受け、同年6月から晴れて経過観察に。


ただいま新たなライフスタイルを手に入れるために、絶賛アイドリング中です。

〈ここまでのおさらい〉
◉業務中の不可抗力で腰を負傷し指定病院に緊急搬送
◉至急のレントゲンで腰椎圧迫骨折との診断
◉MRI、CT、骨密度測定(DEXA)、血液、心電図、を経て入院病棟へ
◉尿カテ入れて尿検査も終えオムツを装着後安静を言い渡され初日は就寝

            *******

病棟の朝は早く、5時くらいからバタバタ音がし始め、6時には点灯しカーテンを開けに看護師さんがやってきました。

看『変わりないですかー』

カーテン開けながら聞かれます。

看『昨日のトイレは何回行きましたかー?』

…はい?
尿カテ入れてオムツしてますけど。

看『あっ、そーだったそーだった。じゃ、便は何回くらい出た?』
(オムツ交換してないんだから普通出てないでしょうよ…交換の回数記録してねぇの?とは言えず、出てませんと答えました)

この病院ではトイレの回数は朝目が合った瞬間に聞く習慣らしく、その後毎朝挨拶替わりに聞かれ続けました。
朝一、会話筒抜けの四人部屋で尿と便の回数を申告するという病院ならではのシュールな状況。

さて、他の皆さんの様子を見ると、朝食までは整容の時間のようです。しかし、ベッド上安静ですので、洗面には行けません。

看『はーいlilyさーん、おしぼりどーぞー』

寝たきりの患者には、使い捨ての厚手のおしぼりを配ってくれ、それで顔を拭くようになっていました。
多分元はホットだったようですが、私に配られるときには常温です。

朝食を8時に配り始めるまで、着替えもせずトイレも行けず、服薬もなければ点滴もない私は顔を拭き終えてしまったら基本やることがありません。
おまけにこの時は身動きもままならず、ただただ時間が過ぎて次のアクションを待つことしかできませんでした。

8時も過ぎ朝食です。
右にしか向けないので、サイドテーブルは右に設置されていました。
ベッドもテーブルも自力では高さが変えられないので、看護師さんがテーブルをベッドの高さに合わせてくれ、なんとか自力で食事に手が伸ばせるようにしてくれました。しかしベッド柵に捕まり痛みを堪えて頑張らないと側臥位が維持できず、食事どころじゃなくて少し口にしてギブアップでした。(←その後下膳にきた看護助手さんに、何故残す、残しちゃダメだと怒られる。痛くて食えねっつの)

歯磨きにもいけませんので、コップに水を入れ、うがい用の水受けを置いて行ってくれます。
歯磨きはベッド上で出来ますが、使い終わった歯ブラシを洗いに行くことができません。
コップも自力では洗えません。
些細なことですが、寝たきりになると生活全般が不便でしょうがないと気付いた瞬間でした。

身体を起こせない、起きられない場合はコップの水を口に含むのは至難の業です。寝たきりの状況が予想される場合はぜひ吸い飲みか蓋つきコップでストローが挿せるようになっているものをご用意ください。ペットボトルも寝たままではかなり飲みづらいですから、何はなくともストロー必須です。
私はストロー多用派でした。
寝たきりで冷蔵庫にも手が届かないときは、ペットボトルなどはテーブルに出しっぱなしにするしかなく、直接口をつけるのも憚られ、紙コップに飲み物を入れストローとともに使い捨てしちゃいました。反エコまっしぐらですが、非常時ですのでお許しを。

ちなみに歯ブラシとコップは、看護師さんに洗って欲しいと頼んだらタイミングが悪かったらしくちょっと嫌な顔をされたので、買ってあったペットボトルの水を使い、ベッド上で自力で洗っていました。うがいの水受けの上でジャバジャバと(笑)

看護師さんが検温に来る以外は昼食まで何のアクションもないらしいので、急な入院で連絡をしなくてはならない人、主に職場とのメールねやり取りをしたりして過ごしました。
大部屋なので通話こそできませんが、とりあえずメールとLINEがあれば大概の人と連絡が取れるため、スマホが命綱になりました。


続きます。



スプーンフォークがあっても汁っぽいものは食べにくい…

右端に写るピンクのがうがい用の水受け(ガーグルベースというらしい)でした。
後の安静解除までお世話になりました。