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勤め先でなんやかやあって、腰を強打し立てなくなった私が救急車で運ばれてきたのは、家からすぐ近くの地元の総合病院でした。
到着してすぐに整形外科の外来に運ばれて、医師の問診。
その時外来にいたのは、ドラえもんに似てる医師でした。(あくまで個人の感想です)
『何が起きたの?』
→これこれこう(詳しく説明)で、腰を打ちました、と説明しました。
『あらら、大変だったねー。痛いのは腰のどこかな?』
言いながら小さい木槌みたいな物で、背骨に沿って骨をひとつひとつ軽く叩いていきます。
ある場所で激痛が走り、思わず声が出てしまいました。
『あー、これね。どうかなー、骨いっちゃったかなー。とりあえずレントゲンね』
その時はまだ、あれだけ痛い思いをしていながら希望を持っていて、ひょっとしたら酷い肉離れかも、とか、最悪ヒビくらい入ってるかも、くらいの気持ちでレントゲン室に運ばれました。
技師『レントゲン撮影しますが、立てますか?』
り『たぶん無理かと…。土下座くらいの高さでよければ身体を起こせます、やりますか?』
あ゛あ゛ぁ゛、つ゛う゛ぅ゛〜
(人は痛いと何故か声が枯れる)
言いながら肩で息をしつつ身体を起こそうとする私を見て、技師さんが慌てて制止しました。
技師『いや、いいから、寝たまま撮影できるから、いやいやいや、起きなくていいって!!』
…最後の方怒られとるがな。
そうなんです、レントゲンは運ばれたストレッチャーで臥位のまま撮影できます。
レントゲンのベッドを避け、ストレッチャーをレントゲンの機械の下に入れ、身体の下には撮影用の板をあてがいパチリ、で終了。
ちなみにその時の私といえば、かつてlily父が闘病中に骨転位で腰痛がひどく立てなかった時のこと、国立がんセンターの技師は無理矢理父を立たせてレントゲン撮影しやがったよな、なんだ寝たままできるんじゃんか、何であの状態の父をあんな酷い目に合わせたんだ!と7年以上前のことを思い出してプリプリしてました。
(現実逃避と脳内麻薬で変なスイッチが入った模様)
レントゲンを撮り終え、再び診察室へ。
ドクタードラえもんが(コラコラコラ)写真を指しながら説明してくれます。
ドラ『ココねココ。骨に影入ってるのわかるかな?あとココも怪しいね。いわゆる、圧迫骨折ってやつね』
なんだってえええ?
ドラ『どれくらいの範囲で折れてるか調べるから、これからMRIとCTね。何か既往はある?』
り『卵巣がんやりました』
ドラ『卵巣片方ないの?』
り『両方と、子宮全摘』
ドラ『何年前?10年?ああ〜…そうゆーことか。 骨粗鬆症だね。そっちの検査もしよう。まあとりあえず入院ね』
り『ええええ。入院ヤダ』(この期に及んで…)
ドラ『だって起きられないんでしょ。自宅で安静でもいいけど、トイレどーすんの。行けないでしょ』
り『トイレは…這っていけば何とか』
ドラ『ならないならない。そんなこと言って無理矢理自宅に帰っても、痛すぎて病院に戻ってきちゃう人多いんだよねー。せっかくだから何日か泊まって痛みを取っていきなさい』
り『今日これからですか。ちょっとだけ会社に戻ったりは』
ドラ『ダメ』
り『車、会社に置きっぱなしなんだけど』
ドラ&看護師『車は絶対ダメ!!』
そんなわけで、軽ーいタッチで入院が決定しました。ドクタードラえもんがあまりに軽ーい感じだったので、私は事の重大さにはまだ気がついていませんでした。
多分だけどこの時はドラえもんもまだ気がついてなかったな。
続きます。