こんにちは

心理セラピストの野沢ゆりこです。

 

 

おもに東京・千葉で活動しています。

野沢ゆりこのプロフィールはこちら

 

 

 

どんな人に向けて活動しているの?

 

自己否定が強い

自分責め、罪悪感が強い

そんな人が過去はどうであれ、

「私っていいな」に変わるセラピー

を目指しています。

 

 

今日から月曜日、また一週間が始まりました。

今日もいいお天気ですね。

 

今の時期は果物の種類が豊富ですね。

私は無花果が好きです。

 

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信じたいのに信じられない妄想性パーソナリティー障害と私たちの思い込み

 

 

妄想性パーソナリティー障害とは

 

妄想性パーソナリティ障害は、強い不信感と猜疑心を特徴とするパーソナリティ障害です。

 

DSM-5(アメリカ精神医学会)、ICD-11(WHO世界保健機関)による国際的な診断基準で定義されたパーソナリティー障害のうちの1つです。

 

「障害」といっても、必ずしも「病気」「治すもの」というよりも、一生を通じての傾向や対処の仕方に関わっていくことを目的とし、

 

その人の特徴が「生きづらさを引き起こしている状態」であるから、「生きやすさを高めること」が治療の目標のようです。特徴としては、

  • 他人の言葉や行動の裏に「敵意」や「裏切り」を読み取る

  • 冗談を「侮辱」と解釈する

  • 根拠が乏しくても「騙されている」「悪口を言われている」と確信する

結果として、人間関係が緊張孤立に満ちやすくなります。

 

 

事例でみる妄想性パーソナリティ障害

  • 職場
    同僚が雑談しているのを「自分の悪口だ」と確信し、問い詰めて衝突する。
     

  • 恋愛・夫婦関係
    パートナーの帰宅が少し遅れるだけで「浮気している」と決めつけ、スマホを繰り返しチェックする。
     

  • 家族関係
    家族の冗談を「馬鹿にされた」と受け止め、怒りを何日も持ち続ける。
     

これらはすべて「相手は自分を害する存在だ」という思い込みに支配されているパターンです。

 

 

妄想性パーソナリティ障害のイラスト

 

 

私たちの日常にもある「小さな妄想」

妄想性パーソナリティ障害でなくても、私たちは日常で似たような思い込みをしてしまいます。

  • 「あの人は私を嫌っているに違いない」

  • 「みんな私を笑っているはず」

  • 「きっと裏で悪口を言われている」

根拠は薄いのに、そう感じると心も体も本当に傷ついてしまいます。

 

 

なぜ私たちは妄想してしまうのか?

  1. 脳は「現実」をそのまま見ていない
    脳は常に過去の経験をもとに「未来を予測」して世界を解釈しています。
    曖昧な状況では「危険」「敵意」と解釈しやすいのです。
     

  2. 自己評価の影響
    「私は嫌われやすい」という自己イメージがあると、その証拠を探すように相手の態度を解釈してしまいます。
     

  3. 不安やストレス
    心が不安定なときは、脳が「危険検知モード」に入り、曖昧な出来事を悪い方に受け止めやすくなります。
     

  4. 過去の学習
    裏切りや批判を経験すると、「また起きるに違いない」と先回りして疑ってしまいます。

つまり「現実を見ない」のではなく、脳が感情や過去に沿った「現実モデル」を作っているのです。

 

 

妄想の世界にこもってしまう問題

妄想は誰にでも起こる心の働きですが、強まると次のような悪循環を生みます。

  • 妄想は膨らみやすい
    一度疑いのレンズで世界を見ると、すべてがその証拠に見えてしまう。
     

  • 抜け出せなくなる
    説明や証拠も「ごまかしだ」と解釈し、現実検討力が働かなくなる。
     

  • 人間関係が壊れる
    疑いに基づく非難や詮索で相手を追い詰め、孤立が深まる。
     

  • 本当に失うものが増える
    信頼やつながりを守りたいのに、むしろ手放す結果になってしまう。

 「守るために作った妄想」が、やがて「孤立と苦しみを生む」 paradox(逆説)を抱えているのです。

 

 

他のパーソナリティ障害との違い

  • 境界性パーソナリティ障害:見捨てられる不安から相手を操作する

  • 自己愛性パーソナリティ障害:賞賛や特別扱いを得るために人を利用する

  • 反社会性パーソナリティー障害:利益や支配のために人を操作する

  • 妄想性パーソナリティ障害:裏切りや攻撃を避けるために人を疑う

妄想性パーソナリティー障害は、動機が「つながりたい」ではなく「裏切りから身を守りたい」点にあります。

 

 

健全な関わり方のヒント

妄想的な思い込みや不信感が強い人との関わりでは、

  • 言動に一貫性を持つ(曖昧さを避ける)

  • 境界を守る(理不尽な非難に巻き込まれない)

  • 相手の不安を理解しつつも共謀しない

といった工夫が大切です。

 

 

おわりに

妄想性パーソナリティ障害の方は、「誰も信じられない」という孤独の中で生きています。

その背景には「本当は安心したい、信じたい」という願いがあります。

 

そして、私たち自身も日常で「嫌われているに違いない」「バカにされた」といった小さな妄想をしてしまいます。

そんな時は「自分がどんな不安を抱えているのか」に気づくサインです。

 

大切なことは、「これは事実?それとも不安からの想像?」と自分に問いかけること、そして不信に感じたら「私はあの時こう思ったんだけど、あなたはどんなつもりだったの?」と相手に確かめることです。


これが妄想の世界から一歩外に出て、現実とのバランスを取り戻す小さな実践になります。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

コスモスの花と青空

 

 

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