#45「Contact」
着替えを済ませたユノがリビングに戻ると
テーブルには既に朝食がセッティングされていた。
たったあれだけの食材にも関わらず、
どれも手の込んだ料理ばかり。
椅子に座る前から唾液が溢れて喉を鳴らした。
「いつまでも突っ立ってないで、座ったら?」
「え!あぁ、あまりにも綺麗な料理だから見惚れてた」
「何言ってんの。そんな大したもの作ってない。ごく普通だよ」
「いや、違うね。これは特別だ」
チャンミンに料理を習っていると言っても、
結局は毎朝、店で食べているわけだし
この家で出勤前の食事にありつけるなんて
ユノにとってはそれだけでもレアだ。
「とにかく早く食べて。会社遅刻しちゃうよ。ドンへさん達になに言われるか、、、」
「はいはい(笑)、いただきます。あ、そう言えばチャンミン、体の具合どう?昨夜寝てる間、お前ずっと体が冷えてたぞ」
「冷え性にでもなったかな?今朝も少し肌寒いけど、体調は良いよ。昨夜は熟睡出来たし」
「そう、、まぁ、俺がずっと抱きしめて温めてたから俺のお陰だナーw」
「はいはい。自分は熱かったんだからお互い様でしょ(笑)」
他愛のないお喋りをしながら
ふたりきりで過ごすひとときの最中、
唐突に玄関のドアを叩く音が
部屋の中にけたたましく鳴り響いた。
ーー~ゴン!ゴン!
「、、、誰か来た?」
「こんな朝早く、誰だろ」
ーーゴンゴゴンゴゴゴン
「うわ。なんかリズム取ってる?もしかしてドンへ、」
「あ、言っとくけどヒョっくん達じゃないと思うよ。さっき起きたってメッセ来てたから」
ーーーゴンゴゴゴンゴゴンゴン
「しつこいな。朝帰りの酔っ払い?」
「うちのマンションにそんな人居るかなぁ、、、どっちにしろ迷惑だし、一言いってくる。チャンミンはここで待ってろ」
とはいうものの、
すぐにドアを開けるのは危険だと思い、
ユノはまずモニターで外を見てみたのだが、
どうやら位置が悪いらしく誰の姿も見えない。
カメラの位置は変わらないのだからどうしようもないけれど、
つい、自分の顔の角度をあちこち変えて、
更にモニターを覗き込む。
チャンミンは後ろで大笑いするものだから、
ユノも釣られて吹き出してしまった。
そうしているうちに再び大きな音がしたので、
ユノは仕方なしに玄関へと向かい、
ゆっくりと、そして少しだけドアを開けた。
「どなたですか、そんなに叩かないで下さい」
ドアの前に立っていたのは
女性らしい顔つきをした見知らぬ男性。
ところがその人は全く怯む素振りもなく、
むしろ嬉しそうに言うのである。
「すごい!ご立派!、そういうところ、変わってなくてなんか安心した(笑)、、、あ~でも、僕の名前なんてきっと分かってないよね。じゃぁ言おう。僕の名前はヒチョル。キムヒチョル。ちょっと言ってみて」
「なんでだよ。あんたの名前なんて知らなくて良い。知る必要もない」
「だめだめ。それじゃこっちが困る。とにかく言ってみてくれないかなぁ。もう一度教えるからさ。僕の名前は、キムヒチョル。キムヒチョル、だよ。、さん、はい。」
「はぁ、、、1度だけだぞ。言ったら帰ってくれ。、、、アンタの名前はキム・ヒチョル。、、、キム、、、ヒチョル、、、」
「そうだよユノ。僕の名前は、キムヒチョル。聞き覚えあるんじゃない?、、、ないか(笑)」
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