秘密#9「Sprout」
料理を運んできたチャンミンは、
Chloeやドンへには小さく会釈をしただけだったが、
ユノに対してはきちんと向き直って声を掛けた。
やはり新規のお客様には
多少の気を遣うのは当然のことだ。
「ユノさんこんばんは。今朝はありがとうございました」
「こちらこそ。美味しい珈琲をありがとう」
2人の会話を聞いたChloeは、
うんうんと頷きながらグラスを置き、
二人の顔を交互にちらりと見て呟いた。
「、、、はは~ん。なるほどね。それでユノは今朝、支社長の珈琲を断ったのね。めっちゃ納得。だってそれって、私と同じ理由に違いないもの」
そう言うとユノは眉毛をぴょこんと動かして小さく笑った。
つまりは、チャンミンが淹れる珈琲は余韻まで深く味わえる為、
それが完全に消えてしまうまで、何も口に入れたくなくなるのだ。
「私の中でチャンミンは、一流バリスタの中の更にトップだわよ」
「うん。そう言っても過言じゃないと思う。体に沁みわたる様な、本当に美味い珈琲だった」
2人にそう言われてまんざらではないチャンミンだったが、
反面とても照れ臭くてたまらず、
ちょこんとソファーの端に腰掛けて話題を変えた。
「それにしても、まさかユノさんがChloeさんやドンへさんと同じ会社の方だったなんてびっくりしました。なんだか縁を感じますね」
「ほんとにね。わたしも驚いた。、、、ところでチャンミン。なんでこの時間に居るの」
「あれ?なんですその言い方。まるで僕が居ちゃいけないような、、、」
「(笑)そうじゃないわよ。ただ、いつも夜はヒョっくんだけだから」
「そうなんですけどねぇ、、、ちょっと心配で手伝いに来たんですよ」
「、、、心配?」
「え!なに、心配って!、あいつ何かあったのか?」
いきなり喰いついて来たドンへに若干引きつつも、
チャンミンの話しを聞くと、要するにここ最近、
ヒョクチェはあまり眠れていないらしく、
今日は特に睡眠不足に見えたから心配で手伝いに来たとのこと。
「明け方に仕事が終わってから友達の家に行ってるって言ってたから、まぁ、遊んでんだろうけど、今日はなんだか体がきつそうで、、、、」
「、、、あいつ」
「そんなわけで、今お持ちしたこの料理は僕が作りました。ジャガイモとチーズのガレット。食べてみて」
チャンミンは一流のバリスタだが、料理の腕前もなかなかのもの。
日替わりモーニングが人気なのも当然だ。
「ん~~♪美味しい~。最近あなたのお料理を食べてなかったから嬉しい。今夜来てよかった~」
「たまには早く起きて、ゆっくりモーニングを食べに来て下さい。今朝だってテイクアウトでバタバタだったでしょ。女子力落ちてますよ」
「チーズうまっ!ほんとに美味しいコレ。ね、チャンミン。俺に作り方を教えてくれないか?あ、もちろんこれからも毎朝ここに寄ってご馳走になるつもりだけど、少しずつ料理覚えたくてさ」
「そういえばユノさん、今朝もそんな事言ってたましね。良いよ。協力する(笑)、あ、、、っていうか百聞は一見に如かず。 こっち来て。まだ材料残ってるし、特別に厨房に招待します」
「まじで!、、、あ、ふたりともふぉふぇん(ごめん) ふぉふ、ふぉっふぉ、ごほっ」
「ぶっ(笑)、ユノさん大丈夫?さ、こっち」
なんとも話しの早い事。
あっという間に二人の「契約」は成立し、
厨房へと消えていった。
ところで、楽しそうに厨房に消えたふたりとは対照的に、
ドンへは組んだ手を口元に宛ててテーブルに肘をつき、
浮かない顔をして、やけに大人しい。
さすがのChloeも、このタイミングで促す事にした。
「ドンへ。あなた本当に今夜は様子が変ね。シャンパン一杯で酔った訳でもあるまいし、話しがあるなら早く喋っちゃいなさいな」
「、、、うん」
「じれったい。らしくないわよ」
「ん、、、あの、Chloeさ、、、同性を好きになった事ある?」
「、、、たまに意表を突くわね、あんたって」
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
※以下は10月18日に書いたものです。
こんばんは~(∩´∀`)∩
といっても、アップは朝の予約投稿です♪
書いてる現在は、あと1分で午前3時という、、、
早く寝ろ的な時間ですな。
ブ━━∵;(;:゜:鑾;゜;,);:∵━ッ!!
ユノLOVE310さん
コメントありが㌧です![]()
ワーイヽ(゚∀゚ヽ 三 ノ゚∀゚)ノワーイ
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