末期膵臓ガン、人生の終わり、墓を建てて
疑い、煩わしくて外そうとした点滴、頑張って
親父は俺の前で死ななかった。
鳥のように気づいたらいなくなって、ひっそりと死んでいた。
動物に例えられるような、晩年はそんな様子だったから
俺も動物のように 何かがぽっかりと空いただけで、それ以上も以下もなかったけれど
祖父が苦しむ姿はどう見ても人間だった。
生きることを諦めてしまっても
その姿をみた時、お祖父ちゃんは俺に頑張るといったのか、頑張れといったのか、わからない一言と
その後に突き放すような頑張ってっていう一言が続いて
お祖父ちゃんのことを目の前にしたら、涙が溢れてしまっていたけど
とても目頭が熱くなったことを自覚した後
俺は病室をあとにした。
1週間前のことだ。
そして今日
祖父は、もう今日明日しか持たないのだという
電車に揺られながら日記をしたためている今も
もっと会いに行けば良かった、と月並みなことを考えている
意識すらなくなってしまった祖父のために俺が出来ること
今はなにもないけれど
俺は失ってばかりの日々を過ごしているわけじゃないんだと
仕事の仲間と、大切にしてくれる上司、そして祖父は知らない俺に出来た友達のような、新しく生まれていく関係たちと、
何よりも彼女と家族になること、新しい命とともに日々を過ごせるようになること
前を向いて生きていかなければいけないから、
そして俺は一人で前を向いているように育ったわけではないから
立派に生きている様を空のどこか遠くでも見つけられるように
俺の人生はまだこれからだけどいつか終わりが来るから
その時俺もきっとよぼよぼだから
空の上でゲートボールでもしよう、俺の一方的な約束だ