【双極性II型って?】治療について3 *心理教育* | リリカルうつろぐ。

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双極性障害の移ろいゆく心を語るブログです。
ただの雑談もあります。

双極性障害の治療は大きく分けて、2つの柱に分かれています。

 

1)薬物療法

 

2)心理社会的療法

 

 

今回から数回に分けて、心理社会的療法について考えていきたいと思います。

 

 

 

心理社会的療法とは何か。

心理社会的療法とは、薬物療法の効果を高め、再発しづらい生活習慣や、考え方を身につける治療方法です。従来の精神療法に社会的療法を組み合わせたものと考えればいいかと思います。

 

 

双極性障害は、薬物療法だけでも、心理社会的療法だけでも成り立たず、この2つの療法を平行して治療を進めていくことが基本です。しかし残念ながら、現在の日本の医療ではそこまで面倒を見てくれません。ご存知の通り、ほとんどの病院では薬物療法中心ですので、患者が自ら心理社会的療法に取り組もうとしないと、触れる機会も少ないのです。

 

心理社会的療法は、薬物治療に比べると時間がかかるかも知れませんが、副作用などの有害な事象もなく、寛解への近道であり、社会生活を送る上で役に立つ内容が多いです。

 

私はそれぞれの療法の、触りの部分しか紹介できませんが、いずれかに興味を持てたら是非始めてみてください。

 

 

次に、具体的にどんなものがあるのかをみていきましょう。

 

  • 心理教育(または集団心理教育)
  • 対人関係–社会リズム療法
  • 家族焦点化療法
  • 認知行動療法

 

上記のものにエビデンスがあると、双極性障害治療ガイドラインには記載されています。ただエビデンスがなくても効果的なものもあると思います。

 

 

 

 

今回はまず、心理教育について考えてみたいと思います。

 

 

心理教育とは何か。

心理教育とは、医師と患者が共に病気ついて学んでいき、その結果、患者が積極的に治療に取り組み、症状をコントロール出来るようになるこを目標とした治療です。医師と患者の治療関係の向上が、治療効果の向上につながります。

 

 

本来は医師–患者間で成立するもので、これを患者の私が、他の患者さんに向けて説明するのもおかしな話ですが、日本の精神科医は忙しく、通院の診察だけでは時間が足りないこともあり、あなたの主治医に代わって私が説明させていただきます(笑)

 

 

Step1

まず双極性障害がどういった疾患かを知り、「自分が病気である」という認識(病識)を持ち、「治療の必要性」を自覚することが第一段階です。

 

双極性障害を受け入れる」でも書きましたが、双極性障害である事実を受け入れ、自覚を持って治療に取り組むことが、治療への第一歩です。慢性疾患ですので、双極性障害とうまく付き合っていく方法を前向きに探していきましょう。

 

 

Step 2

そして次に「何が症状であるかがわかること」が症状をコントロールする上で重要となってきます。

 

双極性II型の場合は、うつは自覚しやすいと言われていますが、実は抑うつ気分にも軽躁が混じり、自覚できないことがあります。うつをしっかりと自覚すること、また軽躁を本来の自分ではなく、症状なのだと自覚することが必要となってきます。

 

言語化することにより、自覚も生まれてきますので、短い診察時間ですが、出来るだけ主治医と症状について話をしましょう。きっとなんらかの気づきもあるはずです。(と書いている私が一番苦手な部分です…トホホ)

 

 

Step 3 

また何が症状かが理解できれば、モニタリングすることにより、波の兆候やきっかけ、改善方法に気づき、セルフコントロールも可能になります。

 

例えば、睡眠時間の減少や増加は、波の目安になりやすいと思います。また、一定の環境で気分に変化が現れること(たとえば親戚の集まりの後には必ず気分が悪化する等)が分かれば、その環境調整やストレスマネジメントを学び、出来るだけ波を小さくしていきます。

 

本当はここまで主治医が面倒をみてくれると助かるのですが、なかなか出来ない医師も多いと思いますので、参考になるかどうかわかりませんが、この先、モニタリングやストレスマネジメントについても書いていきたいと思います。

 

 

Other

また主治医から、規則正しい生活や運動、アルコール摂取に対する指導があったりなかったり。自立支援などの福祉資源や、デイケアなどの援助資源の利用を勧めることもあったりなかったりします。(医師と患者による。)

 

 

まとめ

心理教育は、医師から患者への一方的な教育ではなく、医師と患者が共に学んでいくことです。

 

双極性障害は慢性疾患のため、主治医との付き合いも長くなります。短い診察時間ではありますが、きっと主治医はあなたが良くなることを願って、治療に取り組んでくれていると思います。

 

また主治医をやる気にさせるのは、あなたの「よくなりたい」という切実で前向きな姿でもあります。

 

是非、良い治療関係を築き、上手く波をコントロール出来るように、自分に合った方法を探していきましょう。