前回の維持療法で、「双極性II型は、生涯服薬を続けることなく生活出来る可能性が高いです。」と書いたのですが、理由を書きそびれてしまったので、補足説明です。ただし、これは私見です。全く根拠のない話なので、参考程度に読んで下さい。
双極性II型の人は、色々なタイプの人が混在していると思います。
そのうち、ハッキリ軽躁とうつの層がクリアに分かれているタイプの人は、どちらかと言えば、双極性I型に近いタイプの人だと思います。私は、古典的双極性II型と呼びたいなと勝手に思っているのですが(笑)
こういったタイプの人は、維持療法で薬を飲み続けた方がいいんじゃないかなと思います。元々持っている双極性のパワーが強いので、再発率が高そうな気がするのです。
一方、うつ状態が長く、軽躁がまばらに見られ、どっちつかずの状態も多く、移ろいやすいタイプの人は、うつ病寄りの双極性が拗れてしまったタイプだと思います。こちらは現代的双極性II型とでも呼びたいですね。最近、双極性II型の診断が急増しているのは、このタイプの人達だと思います。
こちらのタイプの方は、薬物でコントロールしづらく、治療も長引くけれど、将来的には、服薬せずに生活出来る人が多いと思うのです。
なぜなら、双極性障害でないはずの人が、なんらかの事情により双極性障害の病態が現れていることがひとつの理由です。おかしな書き方をしていますが、治療の基本は双極性障害と同じです。でも双極性のパワーが弱い人なので、症状が落ち着けば、維持療法で服薬を継続する必要がないと思うのです。
もうひとつは、こちらのタイプの人は、薬物療法と並行して、心理社会的療法を学び身につければ、自分で自分をコントロールしやすくなり、回復も早く再発もしづらくなると思います。心理社会的療法が効果的な人達です。
またこの後、心理社会的療法についても書いていきたいと思います。お楽しみに。
(このシリーズを楽しみにしてくれている人がいればいいのですが…笑。)