とある日の授業。
生徒と「ブタ」という漢字について論争になっていた。
「ブタは、耳へんじゃなかった?」
「月ですよ。」
「いーや、耳だったと思う。」
「月ですって!調べてくださいよ!」
「よ~し!ネパール人対日本人の勝負だ!」←めちゃくちゃ自信があったので、余裕ぶっこいておちゃらける私。
「その言い方、やめてください。」
「ごめん。……。」
「あっ……月だった。」
「やっぱり-!!!」
日本人のプライドが粉々になり、私は消し炭となった。
「この仕事、やめよっかな…ははっ。」
「イエイ!先生より、日本語分かる~♪」
すっかり、意気消沈している私を見て、意気揚々と喜ぶ生徒。
この日の授業で私ができたことは、自己の自信喪失の代償に、生徒に自信を持たせるということだけだった。
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