夫が息子にオリジナルの物語を聞かせている。
その名も「尻太郎」だ。
実にくだらない。
当初は、桃太郎のパロディで、むかしむかしあるところに爺様がいて、その尻から生まれたとか、尻が川から流れてくるとか、尻にまつわる下品きまわりない話であった。
最近では、一日あったことを、息子を尻太郎に見立て、「尻太郎は大じいじの法事へでかけることとなった。昼飯にうなぎをほおばり、帰りは宇都宮線に乗り・・・」といった具合に語っている。
息子はこの「尻太郎」が気に入り、何度も「もう一回読んで。」とせがむ。
実際絵本があるわけでもないのに、夫の脳内尻妄想ページを開こうとする。
楽しければ良いと、私もこの語りには寛容であったのだが、ある日。
「ねぇ、ママパパ!桃太郎、金太郎、尻太郎ってわけだよ!!」
と息子が唐突に叫びだした。
!?
どうやら息子の脳内で、3太郎シリーズができあがってしまっている。
私立小学校・中学校入試で「日本昔話で有名な3太郎シリーズはなんですか?」と聞かれたら、「桃太郎、金太郎、尻太郎!」と答えてしまうではないか!
まったく受験させる気もないが、なんだか間違った方向に進んでいる気がする。
息子を正してやれと世間から非難を浴びそうだが、体に合わないズボンをはかせたばかりに、駅のホームで「あの・・・息子さんお尻出てますよ。」となま尻を人前でさらさせる私は、どうしても尻に無頓着なのであった