我が家には、ダーリンが独身時代から使っていたニトリの座イスがある。
ソファがあるので、特に使うチャンスもなく、リビングに置きっぱなしにしていた。
そしていつの間にか、ダーリンの荷物置き場と化していた。
｢ただいまー。｣
バサッ。
ドサッ。
―ある大雨の夜
｢ただいまー。｣
｢どうしたの！？ビショビショじゃない！傘は？傘は買わなかったの？｣
｢傘買うお金節約したの。｣
｢早くお入り。風邪ひくよ。｣
ダーリンの捨てられた子犬のような風貌にきゅんきゅんしていたので、
その後、あんなことが起きているなんて、気づきもしなかった･･･。
翌朝までは。
座イスの上に置かれていた、ビショビショの荷物たち。
ピキッ。
｢なおぴょん、これは一体、どういうことかな･･･。｣
｢え･･･あっごめ～ん･･･。｣
｢座イスの布に水が沁み込んで、カビ臭くなるでしょーーー！！｣
それ以来、持ち帰った荷物は床に置いてもらえるよう、今使っていない将来の子ども部屋へ、座イスを移すことにした。
｢うむ。これでよし。｣
｢ただいまー。｣
その夜、荷物がしっかり床に置かれることを楽しみにしていた私は、再び子ども部屋に移動させたばかりの座イスの上に、コートと鞄を目撃するのだった。
｢ごらぁ～～！！！！！猫のトイレじゃないんだから！｣
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