西中島南方っていうところは、

阪急電車の、なんか梅田につくてまえみたいな感じのところで、

20年くらい住んでても、十三とか西中あたりは位置もよくわかんないし、

今でもよくわかんないまんまである。

 

今までおりたったことは多分なかったけど、

ガラは悪い、イメージ。

小さな飲食店とか夜のお店が狭いエリアにぐっとおしこめられてる感じ。

 

確か友達の車で行ったのかな、帰りに道に迷った?気がする。

 

西中島南方は、ほんとちょっとのエリアしか歩いてないけど、

小さな通りに雑居ビルがひしめいていて、

全く上品な感じは皆無の、ガヤガヤした夜の街、って感じだった。

 

 

で、友達につれていかれたのが、小さな雑居ビルの中のキャバクラ。

薄暗くて、うるさくて、ミラーボールみたいのがまわってたかな、

やたら薄暗くて。

怪しい雰囲気をまとった、女を値踏みするようにちらっと見る、

横についている女の子にネットリとした視線を送る、男と、

新参者のわたしを軽蔑したような目でチラ見してくる女の子たち。

 

この場所が私のキャバ初体験なのである。

そして確かその日って私の誕生日だったと思う。

19歳の。たしか。

 

店はまぁまぁ混んでいて、

でも女の子は余ってた。

 

運が悪すぎることに、その日は「Yシャツデー」だった。

紳士もののYシャツを着るという意味不明なイベント。

まさか素足を露出することになると思ってなかった私は面食らった。

でも薄暗いしなんとかなるか。。。。

 

がしかし。

身長が高い私は、パンツが見えそうなくらい裾が短くて、

なんかもうつらくてつらくて。

友達なんかは平均身長だから、Yシャツの裾はふとももの真ん中くらい、

手もすっぽりかくれて。

 

こういうのを萌え要素とするんだろうな、

私は場違いだ、もう逃げ去りたい。

 

客も、店の女の子たちも、場違いな奴がきたと思ってるに違いない。

しかも、Yシャツをきて、店の中央に立って待機しなきゃいけなかった。

そこで場内もらうならもらう、あとはフリー客だとかヘルプにつくためにそこで待つ。

 

もう公開処刑でしかなかった。

一刻も早く逃げ去りたい。。。

友達は、高校卒業間近あたりから色々やってたので、

場慣れしたもんだった。

 

一回、一瞬だけヘルプ?というか席にすわらされたけど、すぐ撤収させられたかな。

席に案内されるとき、黒服の人が腰に手を当ててくる。

生まれて初めてだったのですごくドキっとした。

私みたいなデカイ、あか抜けしない女にもこういうことをしてくれるのかと。

けどどうやら、こういうときのこういうしぐさは当たり前らしい。

 

で、たぶん30分くらいかなぁ、もっと長く感じたけど

そしたら外の非常階段みたいなとこに二人とも出されて、

「今日めっちゃ女の子余ってんねん、ゴメン!」みたいな感じで、たしか500円渡されたと思う。

その外の非常階段的なところは通常の待機場所みたいになっているらしく、

何人かの女の子たちがいた。

かえるときに、わざと大きい声で

黒服だか店長だかに「あの子らかわいいやーん!!」って言ってるのが聞こえて、むかついた。少し。

 

 

 

彼氏がいないと、お金がないと、誕生日、こんなイヤな思いをしなきゃいけないのか、とへこんだ。

友達は、

「ちょっとあの店はイマイチやったよなぁ、あたしが今いってるとこ今度つれてくわー」といっていた。

友達からしても今日のあの感じはイマイチだったらしい。

ちょっと安心した。

 

あんな、Yシャツデーなんかがある店なんか、こっちから願い下げだ。なんてね。

 

 

そのあと友達と車でどっかに連れてってもらい、友達の友達の男の子に会ったりして、

でかいとか顔がこわい、いかついとか言われてさらにへこんで、

そんでオールして、

朝方4じごろの朝焼けが強烈にきれいだった記憶がある。