【狭山の丘の屋根の上 ~桃色席種レビュー'21~】 | 監督のささやき戦術

 うまいこと当スタジアムの休場日にイースタンリーグの日程があってくれたおかげで、およそ3か月ぶりの球場観戦が叶った、今週月曜日のメットライフドーム

 客数が少ない二軍戦がチャンスと狙ったチケットが運よく取れ、一軍戦ならば先行抽選必至のレア席種の潜入に成功したので、簡単にリポートさせて頂く。

 

 

 2017年オフから、段階的に進められたメットライフドームの改修工事。

 その中でいくつかの席種が新たに設置されたが、今回トライしたのは、工事が竣工した今春デビューを果たした、出来立てほやほやのこちらの新席種

 『コカ・コーラ ダグアウトトップシート』である。

 

 一体全体どんな席なのか、上掲の写真ではちと分かりにくいかと思うので、球場内反対側からの眺めで説明すると……

 内野スタンドの最前列、その名の通りダグアウトのトップ、真上に位置するのである。

 もうちょっと寄りで見てみよう。

 ダグアウトの屋根の上に、ひときわ目を引くコカ・コーラのバナーが掲出されているエリアがそうである。

 

 エリアの中はこうなっている。バックネット方向からの眺め。

 反対側、一塁方向からの眺め。

 1列のみの配置で、ふたつの階段を挟んで4名、10名、4名の席割となっているので、定員は18名(この試合は1席空けの間引き販売につき9名定員だった)。

 今回座ったのは一塁側だが、もちろんホーム三塁側のダグアウト上にも同席種があるので、全部で36席。非常に希少な席種である。

 

 ふと、かつてこの場所がどうだったかが気になり、過去の写真を漁ってみたところ、2018年にこの真後ろに位置するボックス席種『セブンイレブンダグアウトテラス』に座った時の画像があった。

 何の変哲もないダグアウトの屋根で、当たり前だが何もない。こんなところに乗っちゃうのは、兄の山田太郎を応援するサチ子くらいであろう

 「よっしゃ!ここにも席作ったろ!」と考えた方の発想力と行動力に、拍手を送りたい。

 

 

 『コカ・コーラ ダグアウトトップシート』内の座席はこうなっている。

 座面も背面もクッションのビニール張りのシートは、真下で選手が座っているものと同仕様らしい

 ひとり当たりのスペースはまあまあワイドに取られているが、肘掛がないので満席だと隣にちと気を遣うかもしれない。

 

 座面よりもワイドなのは、足元

 参考が自分の短い脚で恐縮だが、おそらく股下1メートルの人が脚を伸ばしても余裕がありそうな、かなり広い足元である。

 その弊害として、前面のネットに設置されているカップホルダーも遠く、いちいち腰を浮かせないと手が届かないのだが、足元が広くかなりゆったり座れるメリットの方が大きいと個人的には思う。

 

 席からのフィールド方向の眺めはこんな感じ。

 深く座るとちょうど視界に鉄柵が入ってしまうので、おのずと常に背筋が伸びる、

 フィールドへの近さでいえば、フィールドシートの最前列『フィールドビューフロント』の方が近いようだが、こちらは程よい高さがあるので視野が広く、グラウンドレベルに比べるとずいぶんと見やすい

 

 ホームベース寄りに位置しているので……

 本塁クロスプレイの迫力は抜群であった。

 

 迫力と言えば……

 攻守交代のたびに、屈強なガタイの野郎どもが自分の方に向かって駆け寄ってくる光景は、なかなかの迫力であった。

 

 鳴り物がないことも相まって、真下のダグアウトの選手たちの声もよく聞こえ……

 ホームランの際のハイタッチの大騒ぎなどは、自分もその中に参加しているかのような臨場感だった。

 

 余談だが、この席に座ってみて初めて知った、というか知らされた、思わぬ副産物がひとつ……

 座っていた位置が、たまたま三塁側から左打者を映すカメラのちょうど直線上だったらしく、試合中に「今メットライフいるだろ!」という目撃情報が次々に寄せられることに……

 今後ここに座る方は、無意識で鼻をほじったりしないよう気を付けよう。

 

 

 場内36席のみの希少性、スタンド最前列のさらに前の超最前列という新鮮な視点と、久々に「これぞ珍席種!」という体験ができた『コカ・コーラ ダグアウトトップシート』

 気になるお値段は、一軍開催時で6000円~7500円(FC前売)。希少なだけあってかなり高価な席種だが、二軍戦だったこの日はなんと1500円

 こんな機会でもなければ一生座れなかったかもしれないレア席種を、破格の料金で試すことができ、めちゃくちゃ得した気分を味わったこの日のメットライフドーム観戦であった。

 

 

 この数年間の大改修工事で、未踏の新席種が山ほど増え、「球場珍席種マニア」にとって垂涎の球場に生まれ変わったメットライフドーム。

 今後も機会を見つけてあちこち潜入調査を続けたいと思う。

 

 

 いつか場内に珍席種を作るための研究に余念がない(けど今のところ予定はない)当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。