【地下鉄に乗って ~東京メトロスタンプラリー~】 | 監督のささやき戦術

 表題の浅田次郎先生の小説のタイトルは、本編とは特に関係ない。いや、ちょっとあるっちゃある

 野球居酒屋である当スタジアムが、ひょんなことから地下鉄とのご縁が何故か出来た(期間限定で)ので、その顛末を綴らせて頂く。

 

 

 実は今年2017年は、上野~浅草間に日本初、東洋初の地下鉄が開通して90年周年となるメモリアルイヤーなのだそうだ。日本プロ野球の誕生よりも7年早いということになる。

 その日本地下鉄開業90周年を記念し、東京メトロさんによる「TOKYO METRO 90 Days FES!」というイベントが、開業日である12月30日を挟み、本日10月27日から90日間にわたって開催される。

 ※画像は東京メトロさんのHPより拝借

 

 その90歳を迎えた日本最古の地下鉄である現東京メトロ銀座線は、神田駅(1931年開業)が当スタジアムの最寄り駅であるためわりと馴染み深く、神宮球場に行く際などはよくお世話になっているが、今回ここでこのイベントを紹介しているのは、ご近所のよしみゆえではない。

 「TOKYO METRO 90 Days FES!」のメイン企画である、東京メトロ沿線にある全90スポットが参加する「TOKYO METRO 90 Days FES!スタンプラリー」。実はそのスタンプラリーのチェックポイントのひとつに、当スタジアムがしれっと紛れ込んでいるのである。

 

 

 話は「東京メトロ」を名乗る一本の電話がかかってきた、お盆前の頃に遡る。

 車内に忘れ物をした記憶はないし、痴漢やキセルも身に覚えがない。馴染みのない電話口の相手に身構えつつ応対すると、用件は「今年の地下鉄90周年の企画で、沿線の店色々紹介すっから、良ければどう?(意訳)」という内容であった。なぜ当スタジアムなのかと問うたところ、スポットは東京メトロ社員のアンケートを元に選定したらしく、その中で目についたイロモノ居酒屋にお声掛け頂いたという経緯らしい。どなたかは存じ上げぬが、野球好きの鉄道員さんに感謝である。

 「売名上等!」を標榜する当スタジアム。東京メトロ沿線に宣伝して頂けるというありがたいお申し出に逡巡の余地などあろうはずもなく、二つ返事で喜んで引き受ける

 

 送られてきた概要などを斜め読みしかせず、勝手に「観光地とかに置いてある、地元のお店ガイド」的なざっくりとしたチラシの一角に載るもの、くらいに解釈していたのだが、「何やらちょっと様子がおかしいぞ…?」と感じ始めたのは、記事作成のために取材の方が当スタジアムにやって来た時。何というか、想像以上に「すごくちゃんとしてる」のである…。

 そしてつい数日前、この「TOKYO METRO 90 Days FES!」の開幕直前になって当スタジアムに届いた冊子やキットなどを手にし、「当スタジアムが混ぜてもらっていいの…?」と今更不安に慄く…

 

 内容も体裁も紙質も(当スタジアム以外のスポットも)、とにかくすげーちゃんとしてたのである…。

 こちらが届いたスタンプラリー用の冊子

 そして当スタジアムの掲載ページ

 内容は特設サイトでも見られるので、リンク先からどうぞ。

 

 東京メトロさんの規模のデカさと、90周年への思いをまざまざと見せつけられる、素晴らしく気合の入った企画だったのだと、今更思い知らされて若干震える…。

 

 

 90のスポットが、テーマ別に9つにグループ分けされている今回のスタンプラリー企画。

 その9つのテーマのいずれにも当てはまらない気がしてならないが、東京メトロさんは当スタジアムを「⑤愛でる」に分類する。

 言われているうちに、なんとなく愛でてるっちゃ愛でてる気がしてくる。

 

 何に一番戦慄したかといえば、同じ「⑤愛でる」グループに属しているその顔触れである。

 今話題の「ハリネズミカフェ」や「ヘビカフェ」、めちゃくちゃお洒落でお金かかってそうな「水族館レストランバー」。飲食以外にも、「市川野鳥の楽園」や夢の島の「熱帯植物館」など、錚々たるメジャーどころが次から次へと登場する中、極めつけはここ

 1882年開園、つまり東京メトロさんよりも老舗である日本最古にして最も有名な動物園、「上野動物園」がしんがりに控えているのである。

 

 どう贔屓目に見ても、当スタジアムが一番真っ先につぶれそうなラインナップだが、こんな機会でもなければまず実現しなかったであろう、同一紙面上の1882年開園の上野動物園と2013年開場の当スタジアムの、年の差131歳差の夢の競演(一方的な当スタジアム視点)

 「かつてあの上野動物園と並び称されたことがある」「パンダやハシビロコウと共演したことがある」と、(詳細は一切黙して語らず)後世に語り継いでゆきたいと思う。

 

 

 もともと大した本線もないのに話が脱線したが、その「TOKYO METRO 90 Days FES!スタンプラリー」だが…

 9つのテーマ別に1冊の冊子になっており、これがスタンプ帳も兼ねていて…

 各スポットのスタンプを集めて抽選に応募しよう、という企画なのである。応募は「1か所」「3か所」「全部」と3つの括りとなっているので、最悪当スタジアムだけでも応募は出来るようになっている。

 

 スタンプラリーなので、当然当スタジアム場内にもスタンプ台が設置される。

 メトロの駅番号表示と同じ体裁の、丸の中に「愛 07」が当スタジアムのスタンプ。何やら東京メトロの駅になれたようで地味に嬉しい

 一生のスタジアム宝にしようかと思ったら、「終わったら送り返せ」との手紙が添えてあった…。残念である。

 

 

 今でこそわりとポップな社名を名乗っているが、かつては「帝都高速度交通営団」という、荒俣宏先生の大作のような、あるいはセガサターンの名作ゲームのような、ロマン溢れるカッチョいい名前だった東京メトロさん。自分のようなおっさん世代は、未だに「営団」と呼んでしまう

 その東京メトロさんの90周年の祝い事に、当スタジアムのようなぽっと出のイロモノ居酒屋が混ぜて頂いたことは、身に余る光栄の至りである。このご恩は、当スタジアムが50周年くらいのタイミングで、銀座線にラッピング車両を走らせることで、返したいと思う(つぶれてなければ、そして死んでなければ)

 

 

 表題で触れた浅田次郎先生の「地下鉄(メトロ)に乗って」の作中の主人公の勤め先があったのは、「日本最古の地下街」といわれている銀座線神田駅の「地下鉄ストア」であった。

 自分が学生の頃はまだ営業していたその「地下鉄ストア」も、2011年までには全店立ち退いて今は跡形もなく、東京五輪に向けた銀座線の改修工事で、地下鉄神田駅もずいぶんと綺麗になった

 

 地下鉄90周年のこのイベントを機に、東京の地下鉄の来し方行く末に思いを馳せつつ、東京メトロのスタンプラリー参加がてらにでも、当スタジアムへの皆様のご来場を心よりお待ちしております。