梅雨時のような空模様が続く中で迎えた、8月最終日の昨日。
当スタジアムは日曜の貸切営業のスライド休場日であった。
プロ野球レギュラーシーズンの実質最終月である9月を目前に控え、今季はあと何試合現地観戦できるだろうか…?、と日程を睨みながら指折り数えているうちに、湧き上がる衝動を抑えきれず…
来てしまった…。
楽天Koboスタジアム宮城に…。
雨で開始前中止となった、同球場での日曜日のライオンズ戦。
その振替試合が翌月曜、つまり昨日の当スタジアムのスライド休場日と重なるという思わぬ偶然に、「仙台が俺を呼んでいるのだ…」と勝手に解釈し、北へ向かうガラガラの東北新幹線に飛び乗ってしまったのである。
中止即振替試合で、チケットを売る期間が1日しかない平日ナイトゲームに、楽天球団が取った集客施策は「チケット大幅割引」というものだった。
バックネット裏2000円、内野1500円、外野500円、レフトスタンドの「楽天山観覧席」に至っては100円と、大胆な価格破壊を断行。
そんなすこぶるお得な価格設定のこの試合、選んだ席種はこのエリア。
一塁側フィールドシートである。
ここも内野席の扱いゆえ、お値段1500円。最安価格設定の「バリュー」の日の更に半値という投げ売りプライスであった。
以前このエリアに入った時は、確か2009年でリンデン選手と勝利のハイタッチをしたと記憶しているので、6年ぶりということになる。
楽天球団の必死の集客施策に文字通り水を差したのは、天候であった。
この日の仙台地方の天気予報は終日曇、18時以降の降水確率10%となっていたが、17時前に球場に着いた時点で既に小雨。
そして試合中一度もやむことはなく、念のため持参した雨がっぱを着っぱなしでの観戦となったのだった。
プレイボール前のレフトスタンドの様子。
ガラガラである…。
ライトのライオンズ応援エリアに至っては…
30人くらいしかいない…。
小雨は降り続いていたものの、試合は定刻通りのプレイボール。
スタメンはこちら。
イーグルスの先発は、ベテラン左腕川井投手。
今季初めてお目にかかった。そして最後かもしれない…。
ライオンズはドラ1ルーキー、高橋光成投手が先発。
先日、プリンスドームでのプロ初完封の試合に立ち会ったばかり。
同姓のよしみでイーグルス戦以外では応援している、と書いたが、思わぬ形でさっそくそのイーグルス戦がやって来てしまった。
試合中全く降りやまぬ雨に、バックネット裏スタンドに一時避難。
そこからの眺め。ご覧の通りの客入りである。
普段はどこも大行列のバックネット裏3階の飲食店も、この日は終始閑散としていた。
ガラガラなのをいい事に、内野スタンドを徘徊してみる。
三塁側内野スタンドの最上段からスコアボード方向を望む。当たり前だが、どの角度から見てもガラガラである…。
この日のマイシートである「フィールドシート」の特権と言えば、イーグルス勝利時の選手とのハイタッチ。
その特権を享受するための条件は、もちろんイーグルスが勝利する事。そしてこの試合に関して言えば、21時47分の東京行きの新幹線の終電に間に合う時間までに試合が終わる事という個人的制約付きなのであった。
そんなわけで、「勝って…、そして早く終わって…」という身勝手な願いを抱えての観戦となったこの雨中決戦。
イーグルス先発の川井投手は3回で早くも5つと奪三振ショーを見せる。そして3回だけで5点と失点ショーも見せ、降板。最初の条件「勝利」が早々に遠のく…。
その後、代わった福山投手も2失点、3番手の西宮投手に至っては打者9人に5四死球で4失点と、ライオンズの長い長い攻撃ばかりが続いた上に、間断なく降り続く雨、中断はなかったもののいつも以上にグラウンド整備に時間を取られたため、必然的に長くなる試合時間。
二つ目の「早く終わって…」という願いも叶わず…。
結局、7回裏のイーグルスの(淡泊な)攻撃を見届けたところでタイムアップ。
降りやまぬ小雨の中、足早に仙台駅へと向かったのだった。
離脱時に11-3のスコアだった試合は、帰りの新幹線で確認したところ15-3へと悪化しており、そのままゲームセット。
15失点は今季ワーストタイ、観客動員12726名は今季主催試合ワーストと、ある意味記録に残る一戦であった。
楽しかったか?、と問われたら「………」となる試合内容ではあったが、「酷い試合を見たなぁ」と思えるのも、往復4時間かけて3時間限りの試合観戦などという非効率的な行為ができるのも、毎日のように試合が行われいる今だからこそ。
間もなく終わろうとしている今季のレギュラーシーズンを前に、「思い立った時に野球を生で見られる幸せ」に思いを馳せた、というかそんな事を考えて酷い試合から思考をそらした、夏の終わりの仙台弾丸遠征であった。
暦は長月9月に突入し、大詰めを迎える今季のプロ野球レギュラーシーズン。
オフシーズンに悔いを残さぬために、行ける試合は現地観戦、行けぬ試合は当スタジアムでと、この終盤戦を楽しんで頂ければと思う。
9月も引き続き皆様の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。