滲む春 | あかとあお

あかとあお

むらさきいろの双子*




@kotobamemo_bot: だいじがることさへ 要らなかった 子供であるのは ぜいたくな 哀しさなのに そのなかにゐて 知らなかった /吉原幸子「喪失ではなく」

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さみしさを、おぼえぬと言えど、肌寒い春の夜。



あおは空の青に解け、

あかは桜の赤に解ける。





空はあいにくの雨を降らし、

私たちを少し困らせた。


学校の桜は満開で、

まるで、私たちのことを祝福しているみたいだった。




おかしいね、

「思い出になる」って

かなしいことなのか、

うれしいことなのか、

あおにはわからないや。





目の前は霞んで、

見えにくくなる。




春の靄のせいなのか、

目から零れ落ちるなにかなのか。

わからないけれども、

この学校をえらんで、

あかを見つけて、

となりにいられて、

ふたりでものづくりができて、

あおはとても幸せでした。


今までどうもありがとう。





あお