自分が望む望まないにかかわらず、
生まれたときに付けられる名前。
自分の名前が好きと言う人もいれば、
嫌いな人もいるでしょう。


特に平凡な名前を持つ人は、
自分の名前を嫌いになりがちです。
しかし、そんな平凡な名前を逆手に楽しんでいる人がいます。


都内で広告業に携わる田中宏和さんは、
趣味として同姓同名集めを続けている41歳。
いままでに60人以上の田中宏和さん情報を目にし、
うち40人以上と連絡を取り、
13人と実際に対面。
その特異な活動が注目を集め昨年はテレビにも出演。
そして今年『田中宏和さん』なる本まで出版してしまいました。


同書の著者はもちろん「田中宏和」さん。
そんなの当たり前だろと思いきや、
巻末の著者欄を見ると
「田中宏和」の名がズラリと14個も記載されています。
そうです。
この本は14人の田中宏和さんによる共著として作られたのです。

この本に登場するのは、
田中宏和運動を主宰する
「ほぼ幹事の田中宏和」さんをはじめ、
「渋谷の田中宏和」さん、
「作曲の田中宏和」さん、
「WEBの田中宏和」さん、
「レコードの田中宏和」さん、
「やめとまの田中宏和」さん、
「社労士の田中宏和」さん、
「映像の田中宏和」さん、
「ランプの田中宏和」さん、
「理科の田中宏和」さん、
「レーザーの田中宏和」さん、
「エンジニアの田中宏和」さん、
「豪商の田中宏和」さん、
「りんごの田中宏和」さんの14人。


年齢も仕事も住んでいる場所も違う田中宏和さんたちが、
同姓同名というだけで一冊の本を作り上げてしまったのです。


気になる本の内容はというと、
田中宏和運動の歴史や田中宏和カタログ、
田中宏和グッズの紹介、
9人の田中宏和さんが貸切バスで
長野県在住の田中宏和さん(×2名)に会いに行ったツアー記、
田中宏和の姓名鑑定、
社会学者・大澤真幸さんへの同姓同名をテーマにしたインタビューなど。


ちなみに姓名鑑定によると、
田中の名字に対する最良の名はなんと「宏和」だったそうです。
全国の田中さん、
息子が生まれたあかつきには名前を
「宏和」にして田中宏和運動に参加してみてはいかがでしょうか?