北欧メタルの想い出(3) | NORTHERN SPIRIT

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こんにちは。

今日は「北欧メタルの想い出」最終回です。

 

 

1997年の年末から1998年の年始にかけて、

再びスウェーデンを訪れました。

この時は Maecel Jacob ファンの友人と一緒です。

 

もうすっかり勝手知ったるストックホルム。

まずは Stefan の店に行き、私達の好きな北欧メタル系バンドの

掘り出し物を見せてもらい、一部は購入、一部は嬉しいことに

プレゼントでいただきました。

そんなこともあるだろうと、私もお土産持っていきましたよ(笑)

 

そして、大晦日に Hard Roch Cafe でシークレットギグの情報。

Marcel と Thomas Vikström が出るとのことで、

これは見逃せない!と。

 

Stefan は自身もミュージシャン(プログレ・シンフォニック系

バンド LANDBERK のベーシスト)で、プロデュースも

やっており、スウェーデンの音楽関係者たちとのパイプが

太いのです。

 

2000年代に英国の HR/HM 誌の編集長と知り合い、

コラムを連載させてもらった時も思ったけれど

「運」は人が運んでくるというのは本当なんですね。

 

 

 

ところで、ストックホルムの HRC といえば、

EUROPE の Rock The Night の PV を思い出します。

 

私は前回も行っていたのですが、

今回はシークレットギグが観れるとあって、

Marcel ファンの友人は

もう天に昇るかのような夢見心地になっていました。

 

 

そして大晦日に訪れたのがこちら。

 

 

Hard Rock Cafe STOCKHOLM

 

いやー、此処で EUROPE が PV を撮っていたのですねぇ……。

 

 

そしてこの日の目的だったシークレットギグ、

スウェーデンの有名アーティストがちらほら居ました。

ステージに上がっていない時は、

私達のすぐ近くで友人知人と談笑してたりで

和気藹々な雰囲気。

もちろん、お目当ての Marcel と Thomas も

和やかムードでした。

 

英国でも屋内フェスなどで感じたフレンドリーでゆるい空気感、

日本とは随分違うなあ……と思いましたね。

 

 

 

左が Marcel Jacob、右は私の知らないヴォーカリスト(ごめんね)

 

 

 

 

Thomas Vikström (中央) と Marcel Jacob (左)

 

 

TALISMAN の曲も数曲演奏してくれて、とてもいいライヴでした!

とりわけ Day By Day を Thomas のヴォーカルで

聴けたのが最高に嬉しかったです。

 

 

終わった後は店に残っていた人達と年末恒例カウントダウン。

日本から来たという特権?で、Thomas と Marcel を独占(笑)

我を忘れて大騒ぎして、本当に楽しかった!

しかも Thomas はシャンパンを御馳走してくれました。

 

以前はずっと長髪だったので、なぜ短髪にしたのかと訊いたら、

「ミス・サイゴン」 のミュージカルに出るからとのこと。

Thomas は HR/HM 以外にオペラやミュージカルでも歌っています。

(実は彼のお父さんはスウェーデンでは有名なオペラ歌手)

 

Marcel ファンの友人も本人と話せてすごく幸せそうでした。

年始早々、一年の運を使い果たしてしまったかも……と

心配になったほどです。

 

 

※Marcel Jacob は2009年7月21日、自ら生命を断ちました。

 指が動かなくなる難病を患っていたとのこと。享年45。

 Thomas はめちゃくちゃ泣いたそうです。

 おそらく EUROPE のメンバーも旧友の死を悲しんだことと思います。

 ファンだった友人も、そして私も大変衝撃を受けました。

 命日がめぐって来ると、あの日の元気だった彼を思い出します。

 Marcel がスウェーデンを代表するベーシストの一人であることは

 今後も変わらないでしょう。

 

 

 

そして、ストックホルム滞在中に Upplands Väsby に行ってみました。

ストックホルム中央駅から電車で15~20分。

 

 

 

駅のホームです。

 

街はストックホルム郊外のベッドタウン。

ごくふつうの住宅地でした。

特に写真を撮るような場所はなかったですが、

此処で Joey や John は少年時代を過ごしたのだなあ、とか

電車に乗ってストックホルムの中心街に遊びに行ったのかな、と

思うと、ちょっと感動しましたね。

 

 

冬の北欧は観光地や野外博物館の多くが閉まっている為、

この時のストックホルム滞在ではナイトライフを満喫しました。

元日はウプサラに遊びに行き、大聖堂で牧師様の

ありがたいお話を聞いたりもしましたけど(笑)

 

 

 

そして、2004年。

ついに来た、EUROPE 復活のニュース。

 

2000年のカウントダウンの際に一度だけ再結成した時

(この時はギタリストが John Norum と Kee Marcello の二人体制)、

いやきっと本格的な活動再開があるだろう、と

内心思っていたので驚きはありませんでしたが、

やっぱり嬉しかったです。

 

そして彼らも大いに悩んだであろうギタリストは

きっと John で間違いないと思っていたら

やっぱりそうだったので、10代の頃からの絆は強い!

とあらためて感じ入ったのでした。

(Kee、ごめんね)

 

 

 

再結成時、2004年9月号の BURRN! と

懐かしすぎる 1987年1月号。

 

 

2005年1月に来日してくれた彼らに、

日本のファンの存在を忘れずにいてくれたことへの

感謝の気持ちで一杯でした。

大阪公演に行きたかったのですが

日程が合わなかったので名古屋へ。

(この時は東京、大阪、名古屋の3公演でした)

 

昔の曲も新しい曲も、すごく楽しそうにプレイしている

メンバーを生で観れて、

なんかもう、ほっとしてしまって、

EUROPE への愛が昇華してしまった……みたいな。

(もちろん、今も大切な存在ではあるけれど)

 

 

人間というのは正直なもので、

ないものねだりというか……そのくせ

あればあるで安心しちゃうのですね。

 

決して気持ちが冷めたわけではないけれど、

今後は静かに応援していこうと。

昔ほどには熱狂的になれなくても、

心底好きでいようと。

 

あらためて、そう思った次第です。

 

 

 

復活アルバム 「START FROM THE DARK」 からのシングル。

 

HERO は日本盤が出なかったので、スウェーデンから送ってもらいました。

この曲は私の中では EUROPE のTOP 5 に入るほど好き。

 

Joey と John が少年の頃に観に行ったという THIN LIZZY のライヴ。

彼らのヒーロー Phil Lynott へのリスペクトや

THIN LIZZY に自分達を重ね合わせた感動的な PV が

本当に素晴らしくて。

何度観ても余韻に浸ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に……

 

とっておきの一枚。

 

 

 

 

1992年、フェンダージャパンだったかな?

楽器関連のイベントで単独来日した Joey。

 

 

 

 

3回の連載記事を読んでくださった皆様。

私の個人的な想い出話に最後までお付き合いくださり、

本当にありがとうございました。

Tack så mycket!!

 

 

(終)

 

 

北方 碧