リスクを取らないリスク | NORTHERN SPIRIT

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こんにちは。

 

下記は10年前の2014年に出た本ですが、今なお非常に重要だと

思われることが書かれているので紹介します。

 

 

 

 

著者の堀古氏は日本のメガバンクを退社後、

30代前半でニューヨーク大学のMBAを取得して同地で

自身の投資顧問会社「ホリコ・キャピタル・マネジメント」を立ち上げ、

経営者兼ファンドマネージャーとして活躍されています。

 

 

バブルが崩壊した1990年代にはやや翳りが見え始めてはいたものの

日本の景気はまだ悪くない状態でした。

 

その頃は今と同じく円安でしたが、私自身も海外によく出かけていたし、

金融経済も情報テクノロジーも欧米と日本の差は殆ど無かったと

思います。

 

しかしその後、日本はデフレに見舞われ、物価も賃金も上がらずに

30年が経過。

 

 

そしてついに日本にもインフレの波が到来、賃金UPが物価上昇に

追いつけず、実質賃金は下がるばかり。

気が付けば、国民の所得もデジタルリテラシーも欧米との格差は

30年の間にめちゃくちゃ広がっていました。

 

 

少子高齢化が進む日本で、これまで通りの生活水準を維持するには

経済の立て直しが必須であると堀古氏は書かれています。

 

 

 

著者の言葉で特に印象に残ったのは、次の一節。

 

「日本の人は、頑張った人にご褒美が与えられるべきであることは

よく理解している。実際、世界の標準的なルールもその通りだ。

しかし日本の人があまり理解していない、または理解を避けている

もう一つの世界標準のルールがある。

それは、リスクを取った人にもご褒美を与えるという事実だ」

 

 

 

アベノミクスという経済政策がとられていた2013年頃、

株価が上昇したことで億り人になった投資家が多くいました。

投資をしていなかった人達からは「アベノミクス長者」と揶揄された

そうですが、株価上昇の恩恵を受けられるのは投資をした人だけです。

 

アベノミクスで資産を増やした人は株式投資というリスクを取って

リターンを得ました。

「リスクを取った人が与えられるご褒美」です。

 

投資をしなかった人は資産の増減は無かったかもしれませんが、

長い目で見ると現在のようなインフレ・円安の時代には

円の価値が下がることで実質的な資産は目減りしているのです。

これが「リスクを取らないリスク」であると著者は言っています。

 

 

リスクは株式投資に限ったことではありません。

例えば、転職や副業で収入を増やし、生活の質を上げた人も、

リスクを取ってリターンを得た人です。

転職も副業も、成功するかどうかはやってみないと

判りませんからね。

 

 

実は私も、昔はリスクを極力避けていました。

とにかく嫌なことや面倒なことから逃げて、楽なほうを

選んでましたね。

ただ、「何とかなるだろう」との思いだけで物事に対処する

生活が今後ずっと続けられるわけがない……という

漠然とした焦りが心の何処かにありました。

 

転機になったのはコロナ禍。

世の中の仕組みが変わらざるを得なくなり、

このままでは駄目だと気づきました。

 

前職はコロナの影響を確実に受ける業界だったので、

仕方なく?転職を決意。

けれど、思い切って転職して本当に良かったです。

モノづくりに関われる今の仕事はとても楽しいし、

自分に合っていると思えるので。

(収入もUPしました)

 

 

株式投資も楽しく続けています。

最初に読んだ超初心者向けの本がすごくわかりやすくて、

それから沢山の本を読んで勉強して、自分なりの

投資方法を決めることができました。

今は米国株も日本株も絶好調なので、

今年から NISA で投資デビューした人達も全員

含み益が出ているのではないでしょうか。

 

もちろん、いい時ばかりではないですが、

暴落が来ても対処できるよう、今のうちに

もっと勉強して、自分の資産を守れるように

準備しておくのが良いと思います。

(資産配分、ポートフォリオの見直しとか)

 

 

最後は自分の話になりましたが、

私自身はリスクを取ったことでリターンを得られたので、

上記の本の内容に合点がいったのでしょう。

 

 

関心のある方はぜひ読んでみてください。

 

 

北方碧