私のナラティブ〜
「昨日の職場の一コマ」
午後の業務が始まった。手元にある申請処理をしてたら電話がなった。
嫌な予感…
予感の通り、内容は最近おぎまりのパターン。申請者からの問い合わせだ。
「進捗はいかがでしょうか」
丁寧な言い方だったけど声に、ちょっと怒気がにじんでた。
電話口の申請者の気持ちが私にはよくわかる、本当にそうだ。
再任用ベテランが、また例によって案件放置したままだから。
申請を回すと「仕事に追われるのが苦痛だ」と、その再任用ベテランは上長に食ってかかった。
それからは「預かってる」形になった。
預かってるだけで、手をつけてない。
PCでYahooの画面眺めてるだけ。
それは「何にもしてない」「サボっている」と、どう違うんですかね。
口癖は
『俺は凄かった』
『俺は何でも知っている』
『俺は再任用で、働く必要ないんだけどさぁ』昭和の価値観そのままタイムリープした再任用(老)ベテラン、あなたに
是非お尋ねしたいところ。
電話口からは、相変わらず怒気を少し含んだ声で【〇〇日前に申請しましたが、手続きはどこまで進みましたか。というのも、(申請に添付必要な)一部の書類を返していただきたいのですか】
こういう時、私は申請者の気持ちに寄り添ってしまう癖がある。
「申し訳ありません」
「対応が遅れてしまって」
もう、手続きは開始しているだろうと
普通は思うもの。そんな気持ちがわかる。自然に口から出た言葉。
でも…ここで働き出してから、実は自分の感情はどこかに置いてきてる。
相手への配慮という業務遂行の一つの作業。そんな言葉だ。
で。電話切ったら、後ろから声。
再任用ベテラン
『〝すみませんすみません”って言うな』
と皆の前で大声で私への叱責が開始された。
……は?
気づくと私の机の横に来て腕組んで立ってる再任用ベテラン。(こういう時の動作は早いんだな…)
最初、何を怒っているのか全く理解できなかった。
えっ?どういうこと??
『「すみません」って言うな💢』
では、どう回答したら正解?
「まだ手続きすらしていません。」
「いつになるか、わかりませんねぇ」
と、事実を述べたらいいのだろうか。
というか
処理放置されてて怒っている電話の対応、つまりフォローさせられている、それなのに私が怒られるこの状況は何なのだろう…
『待たせとけばいいんだよ』
『こっちが、へり下るな』
マジか…
ここで、やっと理解した。
そうなんだ。
私が「すみません」って言うと、
再任用ベテランは、自分が悪いみたいに言われていると感じてしまうのだ。
自分が非難された気になるのだろう
(実際のところ再任用ベテランのせい…)
おじさんのプライド。
俺様のプライド。
高い高いプライド。
傷ついたという事。
業務上の一番の問題は
預かったのに手続きを放置して、なかなか始めようとしないこと。
再任用ベテランが
サボらずに業務してたら、
クレームめいた電話はこない。
私が「すみません」って言う事も無い。
再任用ベテランのプライドが傷つかなくて済む。
そして大声で私が怒られなくて済む
そんな穏やか世界線なのに。
そんなこんなで、めんどくさい空気と
少し「仕事がだるいなぁ」と感じ始めた矢先に追い打ち来た。
「こいつらわかってねぇんだよ、バカぱっかり」
気分でキレまくる
「バカばっかり」中年おじさんが。
続く