今日も一日… -2ページ目

今日も一日…

熱々の餃子を口に放り込むと焦げた皮がパリッと弾け、中から肉汁が溢れ出す、その瞬間が堪らなく好き。

続き 


「バカばっかり」中年おじさん。

いつも何かを責めている。

今日も少し狂っていた。

今日は少し度が過ぎていた。

激昂して、机を叩きながら

そして再任用ベテランの声を遮り


「バカばっかりだ」

「なんもわかってない」

「こんな奴ら◯△✖️…」


令和の今では「言ってはいけない」のワードを

吐きまくっていた。

「怒っている」より「壊れている」感じがした。


これで何度目になるのだろう。

もう課長も、課員も、誰も何も言わない。 

ただ怒鳴り終えるのじっと待つ。

やり過ごすしかない…

この職場は、そんな空気感で埋め尽くされている。


息をするのも、しんどい。

そんな時間が流れる


また電話がなった。

いつもは出ない課長が慌てて電話を取ると

「いつもお世話になってます。」

とびきりの爽やかさで、

その場の空気をかき消そうとしているみたいに。


私はコーヒーを入れようと給湯室に向かった。

廊下にある窓から見える空は

びっくりするぐらい晴れていて

思わず

『手のひらを太陽に透かしてみれば

真っ赤に流れる 僕の血潮』

…かと、少し笑えた。


こんな理不尽なことは

どこにでもある話かもしれないし

一生こんな目に遭わない人もいるのだろう。


私は今ある現実をどう受け止め

消化していくだけだ。


コーヒーを用意しながら

「今度いつ休暇取ろうかなぁ」と考えた。