続き
「バカばっかり」中年おじさん。
いつも何かを責めている。
今日も少し狂っていた。
今日は少し度が過ぎていた。
激昂して、机を叩きながら
そして再任用ベテランの声を遮り
「バカばっかりだ」
「なんもわかってない」
「こんな奴ら◯△✖️…」
令和の今では「言ってはいけない」のワードを
吐きまくっていた。
「怒っている」より「壊れている」感じがした。
これで何度目になるのだろう。
もう課長も、課員も、誰も何も言わない。
ただ怒鳴り終えるのじっと待つ。
やり過ごすしかない…
この職場は、そんな空気感で埋め尽くされている。
息をするのも、しんどい。
そんな時間が流れる
また電話がなった。
いつもは出ない課長が慌てて電話を取ると
「いつもお世話になってます。」
とびきりの爽やかさで、
その場の空気をかき消そうとしているみたいに。
私はコーヒーを入れようと給湯室に向かった。
廊下にある窓から見える空は
びっくりするぐらい晴れていて
思わず
『手のひらを太陽に透かしてみれば
真っ赤に流れる 僕の血潮』
…かと、少し笑えた。
こんな理不尽なことは
どこにでもある話かもしれないし
一生こんな目に遭わない人もいるのだろう。
私は今ある現実をどう受け止め
消化していくだけだ。
コーヒーを用意しながら
「今度いつ休暇取ろうかなぁ」と考えた。