20代の頃のアメリカ留学中の話です。

 

もう卒業が目の前にきました。

 

で、両親にもアメリカの地を踏んでほしいと思い、

 

妹にお願いしました。

 

妹と両親でサンフランシスコ経由で私の住んでいる小さな町に

 

来てくれました。

 

丁度、日本は、ゴールデンウィーク中。

 

でもこちらは普通に授業を受けてます。

 

で、授業受けて金曜日の午後だったかな、カルガリーに飛びました。

 

日本でも有名なレイクルイーズというエメラルドグリーン色した湖があるところへ。

 

カルガリーからレンタカーして広大な草原を走ります。

 

少し遠くに野性の鹿だったか?数十頭の群れが見えます。

 

両親大興奮です。

 

なんせ初めての海外旅行だったから。

 

しばらく走ってレイクルイーズに着いたのですが、

 

景色は一変していました。

 

ところどころ道路には雪があるなと思っていたのですが

 

なんとレイクルイーズは一面、氷で覆われた湖になっていたのです。

 

真っ白の世界です。

 

レイクルイーズのすぐそばにある有名なホテル

 

シャトーレイクルイーズを予約していました。

 

とってもゴージャスで優雅なホテル。

 

でも有名なホテルの割にリーズナブルな価格だった記憶。

 

氷に覆われた湖面を見て、そういうことかと納得。

 

妹が「お湯を持ってきて溶かしてほしい!!!」と真顔でいいます。

 

私たちはその凍った湖面を歩いたのです。

 

氷はものすごく厚く、大人が乗ってもびくともしません。

 

5月ですよ。カナダに住んでたことがある友達が

 

「この時期はあまり良くないかも」と言われていたのは

 

こういうことだったのか、、、

 

でも仕方ないです。翌日は、車を走らせもう少し北上しました。

 

ジャスパー国立公園まで行きましたが、どんよりした雲が覆っていて冬の景色。

 

ピザを食べて引き返しました。

 

大自然の山を縫うように走るのですが、寒さであまり木が生えていないのか

 

山肌が崖のような岩がむき出しになっているところがたくさんあって、

 

運転しながら注意深くみていると、カナダにしかいない?真っ白なマウンテンゴート

 

白カモシカの一種らしいのですが、冬だから毛がふさふさ。

 

でもがけっぷちにへばりつくように立っているマウンテンゴートは

 

気を付けて見てないとただの雪にしか見えず、

 

見つけた時は大声で「あそこーーーー」と叫んだのでした。

 

 

 

バンフまで戻ってきました。バンフはちょっとした観光地。

 

レストランで大きなサーモンステーキをほおばる父親はほんと楽しそうでした。

 

何を見てもスケールが大きく、大自然の素晴らしさに心を奪われたようで

 

心から楽しんでいる様子が伝わってきました。

 

何よりも、海外で最初に泊まったシャトーレイクルイーズの部屋番号が

 

父親の誕生日だったのです。 415号室

 

それを見た父はすごい偶然に驚き、大喜びでした。

 

嬉しすぎたんでしょう。とてもケチでおこづかいもろくにくれたことが

 

なかった父親でしたが、そのホテルの宝飾品店をウインドーショッピング

 

していたら、「買ったろか?」(買ってあげようか?)

 

「これはどう?」と父が指さしたのは、金貨のコイン、貴婦人の絵が刻まれていました。

 

驚きです。まあ、せっかく気前が良くなっているうちに買ってもらおうと

 

買ってもらいました。3万円也。。。。

 

いい思い出ができたと思います。私にとっても。

 

 

余談、、、

 

父親はちょっと天然な人で、私が留学から帰ってきて

 

荷物を整理していた時、教科書も数冊記念に持ち帰っていました。

 

それをパラパラとめくっていた父親

 

「ええ?これで勉強してたんか? 英語で勉強してたんか?」

 

私「日本語で勉強してると思ってたん?英語です!!!」

 

父「ええええ?すごいなあ」

 

今更? アメリカきたよね? 父親はホント天然です。