昔々の遠い記憶です。

 

20代の頃アメリカ留学してました。

 

私には弟が2人、妹が1人。そして両親。

 

私が卒業するまでに私がいたアメリカの町、大学、生活を

 

見て欲しくて、一度にみんなが来ることは難しいが

 

順番に来てもらいました。

 

まずは、一番末の弟。

 

当時大学生だった弟は時間に余裕があったので、

 

サンフランシスコまで1人で来てもらいました。

 

大阪からサンフランシスコは直行便が飛んでいましたので、

 

大丈夫と。

 

でも、私ちょっといじわるをしました。

 

せっかくアメリカに1人で来て、私が空港で迎えて

 

そのあと、ずっと私がサポートしたら弟は何も学ばないんじゃない?って、

 

で、サンフランシスコの空港でもし会えなかったら、

 

予約しているホテルに行ってと伝えていました。

 

空港のゲートで弟はしばらく私を待っていましたが、

 

スーツケースを引きづりながら歩き始めました。

 

で、ホテルの近くまで行くバスに何とか乗ったのを確認して

 

私は慌てて、レンタカーを借りてホテルに向かったのです。

 

ホテルで会った弟は安堵の表情を浮かべ、

 

私は実はずっと空港で「あんたのことを見てたんだよ」って

 

言ったら「えええ?」と。

 

でもそれからは2人でサンフランシスコを観光し、サンディエゴにも行き、

 

その後私の住んでいるアメリカの小さな町へ向かうはずでした。

 

ところが、サンディエゴで私はずっと運転していたせいで疲れて

 

出発の日、ギリギリまで寝ていたのです。

 

慌てて起きて、荷物を詰めて空港の近くでレンタカーを返却して

 

サンディエゴの空港で、

 

私「チケットが入っていた黒いポーチ出して」

 

弟「え、あれは姉ちゃんが持ってたんじゃないの?」

 

私「え?あんたに預けたよね?」

 

弟「持ってないよ」

 

一瞬で2人とも顔面蒼白になりました。

 

さすがに弟は自分が頼りっぱなしだったと思ったようで

 

「俺がホテルまで取りに行く」と言い、

 

私は「タクシーを待たせておいてホテルに入るんだよ」

 

弟「わかってる」

 

といって弟は空港からタクシーに飛び乗ったのです。

 

ホテルに着いて、片言の英語で部屋番号とか

 

チケット、チケットとか言ったんでしょう。

 

フロントのお姉さんが、黒いポーチを奥から出してきてくれました。

 

弟は「ああああ、サンキューー」またタクシーに飛び乗り

 

「エアポート」と告げると、タクシーの運ちゃん、理解してくれました

 

凄いスピードですっ飛ばして空港まで戻ってきてくれました。

 

2人でユナイテッド航空のカウンターに走っていき、

 

私「乗れますか?」

 

カウンター「多分」

 

もうゲートまで2人で全力で走りました。

 

空港がそれほど大きくなくて良かった。

 

ゲートはまだ開いていたのです。

 

飛行機に乗った瞬間、飛行機のドアが閉められました。

 

自分の席に着く前に飛行機は動き始めましたよ。

 

ひえええええ。です。

 

弟、それまで何もしないでいたのに、

 

飛行機に乗ってから、英会話の本を読み始めました。

 

色んな人に助けてもらいました。

 

私の町に着いて、友達にも会ってもらい、大学も見せて、、、

 

色々刺激を受けたのかな?

 

就職してから

 

「俺もアメリカ行きたい、語学留学しようかな?」

 

と言ってきた。

 

私「いや、それは留学とは言わない、遊学です」

 

「まずは仕事したら?」とそっけない返事をしてしまった。

 

今思うと、色んな可能性もあったかもなあと。

 

あれこれ思ったものです。

 

#アメリカでハプニング