最古じゃないけど最も原始的、エオラプトル | 『歴史・生き物などつれづれと。』

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日々のつれづれな思いと、どうでもいいような知識を書いていきます。                    

まったり・のんびりと進めていくので、
まったり・のんびりとお付き合いください。

ligulugoです。


自分が働いている場所には夜勤があります。


なので体を慣らすために前日から徹夜します。


徹夜中にやることと言えば、このブログを書いているか、

大富豪によく出没します。


そしていつしか鳥たちの鳴き声が聞こえ、夜明けを迎えます・・・。


『歴史・生き物などつれづれと。』-イタリア夜明け
↑夜明け。こんな所(イタリア)へ行きたい・・・。


はい、ということで今回のテーマは、「月の谷の夜明けの泥棒」と名づけられた、

「エオラプトル・ルネンシス(eoraptor・lunensis)」です。


『歴史・生き物などつれづれと。』-エオラプトル2

↑エオラプトル復元図


ルパン三世のサブタイトルみたいですが、もちろんそういう意味ではありません。


今までに見つかった恐竜たちの中で、最も原始的な特徴を持っていたためです。

「夜明けの」の部分がそれを表していると思います(予想)。

恐竜第1回にふさわしい彼ではないでしょうか。


ちなみに「Eo」がギリシャ語で「夜明けの」、「raptor」がラテン語で「泥棒」という意味。

小型の恐竜たちは特に意味もなく「raptor」が付けられてしまいます。


かわいそうなものでは、完全に濡れぎぬで「卵泥棒」と名付けられてしまった

恐竜もいます。

「lunensis」は「月の谷の」という意味で、発掘された場所にちなんだものだそうです。

「lunensis」だけ何語かわかりませんでした・・・。


現在知られている最古の化石はほかにありますが、生態的に古い方はこちらで

謎多き恐竜たちの進化を紐解く重要なキーになっています。


1991年に発見され、場所はアルゼンチンの北西部です。

約2億3000万年前の三畳紀後期の地層から発見されました。


発見者は「リカルド・マルチネス」氏で、

奇しくも「はじめの一歩」の世界フェザー級チャンピオンと同じ名前です。


体長は約1mと小さく、体重も中空の骨を持っていたため10kg足らずと軽かったようです。


動作が俊敏で、走るのが速く、鋭利な鉤爪を持っており、

かなり獰猛な捕食者と考えられていて、ティラノサウルスの

縮小版と言われることもあります。


が、まだ恐竜と言えるまで到達していない。

と、恐竜と考えない学者たちもいます。


骨格の特徴としては前眼窩窓が大きく、ほお骨の後方関節が二股に分かれ、

前肢の外側2つの指が退縮しているのは獣脚類の特徴。

単純な顎の関節は原始的。

歯は、獣脚類は横にスライドできるがエオラプトルは出来ない。

また、前半分は木の葉形の植物食性の歯だが、後ろ半分は湾曲した肉食性の歯をしている。

など、かなりハイブリッドな特徴を持っていたようで、分類が難しい種です。


『歴史・生き物などつれづれと。』-エオラプトル1
↑エオラプトル骨格標本


一応は竜盤類・獣脚亜目・エオラプトル科と、分類されているようです。


同じ時代・場所から非常によく似た「エオドロマエウス(eodromaeus)」がいますが、

そちらが獣脚類の祖先、「エオラプトル」が竜脚形類の祖先と考えられています。


シカゴ大学の古生物学者「ポール・セレノ」氏は

「これら2種は見分けがつかないほどそっくりだったはずだ。」と述べています。


しかし、ほぼ同じ見た目、さらに1mという小さな彼らから、

後の超大型の恐竜たちに血が繋がり、分かれていくとは。


やはり、生物の進化は面白いですね。