今日は私の住むバリ島でのちょっとした出来事の話です。
数日前の早朝、ほんの5〜10分程、近所のおばちゃんのお店にバリ島の伝統的な餅菓子を買いに行って帰ってきたら、2匹のうちの1匹の猫がいなくなっていました。白と黒の模様なので名前はシロクロです。
家に帰らない事が一度もなかったシロクロが、その日の内に戻ってくる事はありませんでした。
何度も周辺を探しに行きましたが、目の前の道は交通量が結構あり、周りの家は高い塀に囲まれたヴィラばかりで、いるとしたら他人のヴィラの中しかなく、途方に暮れている内に、次の日の昼過ぎになってしまいました。
他のヴィラにいるとしても、戻ってこない理由はないので、私としては何かしらの理由で天に召されたのかもしれないと、ほぼ諦めかけていました。バリ島では、聖霊や神様などの存在が、非常に身近なので、パートナーであるコマン(バリ人)は精霊が悪戯をして、シロクロを隠しているのかもしれないなどと予想をしたり、様々な可能性を二人であーでもないこーでもないと話していました。
すると、コマンが実家の母親に相談すると言い、母親に電話をかけ始めたのです。
電話が終わると「お母さんがスピリチュアルな人(シャーマンの様な)に相談するって言っているから、その結果を聞いてから動こう」と言うのです。コマンの実家はバリ島の北の方なので、とても遠いし、そのスピリチュアルな人は、当然、私の家にきた事や私の猫を見た事もありません。ましてや、バリ島ではブランド猫以外の雑種の猫などは、一般的にさほど大事にはされていません。
バリ島では、いわゆるスピリチュアルな人はとても身近で、人は病気になったりすると、まずは病院に行くのですが、なかなか解決しない時は、かかりつけの?スピリチュアルな人に相談しに行きます。話を聞いていると、〇〇さんがあなたに魔術をかけているという事や、入ってはいいけない場所に入ってどこかの聖霊の気分を害したなどの様々な理由があるようで、スピリチュアルな人はそれに対して解決策をアドバイスしたりしてくれる人です。
<一例>
私が身近で経験した事ですが。今住んでいる家には木がたくさんあるのですが、その一つが大きくなりすぎて、倒れる危険性があるという事でコマンが庭師にその木を切り倒す事をお願いしました。「では明日切りますね」と切り倒す事が決まりました。でも、私としては、この木のおかげでいい感じの日陰が出来ているし、リスや小鳥が小さな実をよく食べているので、木が切られる直前に「やっぱり、全部ではなく、大きな枝を一つだけ切ってください」とお願いし直しました。
後日、庭師の人が私に「あの木は切ってはいけなかったんだよ。あの日、家に帰ったら下半身が全く動かなくなり、数日間寝たきりになってしまった」と話してくれました。詳しくは言葉の関係でわからなかったのですが、どうやらこの木の精霊か何かの精霊が木を切って欲しくなかったみたいなのです。もし、木を全部切り倒していたらと想像すると、ゾッとします。これは私の想像ですが、庭師も、おそらくかかりつけのスピリチュアルな人に聞いて、あの木は切ってはいけなかったと知ったんだと思います。
詳しくは分からないですが、スピリチュアルな人は特に、資格とか、世襲とかではなく、コマンいわく、スピリットがスピリチュアルな人を選ぶシステムなのだそうです。今回のスピリチュアルな人も、実はコマンの同級生、通称ジャック。元々はヤンチャで刺青もいっぱいあるような青年でしたが、数年前に突然スピリットにスピリチュアルな人になるよう選ばれたみたいで「〇〇君スピリチュアルな人になったよ」とコマンから聞いて、あの子が??と衝撃を受けた事を今も覚えています。
友人とはいえ、普段は病気などのかなりシリアスな相談を受けているスピリチュアルな人が、猫がいなくなったという相談を真面目に受けてくれるだろうか。例え、聞いてくれたとしても、お金だけ受け取って、適当な事を言うだけだろうと私は思っていました。
コマンが母親に電話をしてから、3時間後くらいにコマンの母親から返事が来ました。
「じゅんが朝買い物に行く際に、一緒について行こうとしたようだ。猫は生きている。とても近くにいて、自分から出られない状態で植物の間にいる。方角は北西。探す際は家の全ての祭壇にお供物をし、手助けをお願いしてから探すと良い」との事でした。
コマンは生きていると聞いて、自分が生き返ったかのように喜んでいましたが、私は「また適当な事言って…」と諦めモードでした。まあ、とりあえず夕方の7時頃でしたが、お供物を急いで買いに行き、コマンはさっさとお祈りの準備をして、9箇所ほどある家の中と外の祭壇にお供えをし、神様や土地の精霊に手助けをお願いしてから、また近所に探しに出かけました。
何度も近所を行ったり来たりしている内、隣のソンケットヴィラ辺りで「シロクロ〜」と呼ぶと「ニャ」と小さく返事が聞こえたので、あれ?と立ち止まると、脇道からオレンジ色の猫が出てきたのです。なんだ〜違う猫だった〜とがっかりして、そのまま一旦家に戻りました。
もう夜の9時頃だったので、寝る準備をしようと歯を磨いていたのですが、ふと、気になって思い返してみると、知らない猫が私たちの呼びかけに返事をするかな?と疑問に思い、コマンに言うと「僕もそう思ってた」と言うので、また急いで隣のヴィラに向かいました。すると丁度、ディナーから帰ってきた感じのドレスアップしたオーストラリア人らしき女性二人に遭遇したので、「ここに泊まっている方ですか?猫がいなくなって、探しているのですが、この壁の向こうで鳴き声が聞こえたんです」と必死に訴えると、ものすごく感じの良い女性たちで、「それは大変ね!この壁の向こうは私のバスルームよ、すぐ一緒に見に行きましょう」と快く協力してくれたのです。
ヴィラの中に入れてもらい、バスルームに向かうと、それは縦長の広いバスルームで、壁は四方3m程の高さがあり、先の方は一部吹き抜けで天井がありませんでした。そして、天井がない部分の下には室内用の生垣があってそこに植物が植えてあり、その植物の間にシロクロは小さくうずくまっていました。とても広くて縦長のバスルームだったので、女性が何度利用しても、鳴かない限り、生垣の中に猫がいる事に気付くはずもありません。シロクロはきっと、壁づたいを歩いていて、誤って中に落ちてしまったのでしょう。
シロクロの姿を見て、私は一気に生き返り、何度も女たちとヴィラのスタッフにお礼を言いながら、シロクロを抱きしめて帰りました。帰ったら、たくさんご飯を食べて、たくさん甘えて、今は安心しきって寝ています。
色々言いましたが、何が言いたかったかというと。
スピリチュアルな人の言っていた事が、全て当たっていたという事です。
ジャック凄すぎる!
また素晴らしいのは、コマンのお母さんのフットワークで、猫の事だからと言ってバカにする事なく、とても真面目に受け取ってくれて、すぐにその場でジャックに相談に行ってくれた事。
そして、ジャックも真面目に相談を受けてくれて、とても的確なアドバイスをくれた事。
コマンもしっかりアドバイスに沿って行動してくれた事。
神様もお家の精霊たちも、きっと一生懸命協力して、隣のヴィラに泊まっている優しい女性たち2人に出会えるぴったりのタイミングを作ってくれたのでしょう。ヴィラのスタッフに言ったところで、お客様の部屋に他人を勝手に入れる訳には行きませんからね。
様々なミラクルがあって、無事にシロクロくんは戻ってきてくれました。
「じゅんの後をついていった、近くにいる、出られない、植物の間にいる」全てが当たっていました。
まさに、透視能力です。
バリ島のスピリチュアルな人、あまり信じていなかったけど、やはり本物だったんだ。本物でなければ、そもそも誰も相談に行きませんよね。
バリ島って不思議でおもしろ〜い!!
2009年から10年以上住んでいますが、本当に興味深い島です。
あ、ちなみにコマンのお母さんは大金を積んだわけではないみたい。
お金を受け取ると能力が消えてしまうらしく、ジャックは一切お金を受け取らないそうです。
地元の人は、自分の家で採った様なちょっとした野菜や果物を持って相談に行くみたいです。
どうやって生計を立てているのかは不明だけど、バリ島の田舎は特に、お互いに協力し合うのが当たり前だから、何とかやっていけるのでしょうね。
いや〜やっぱり不思議な島だ。
じゅん
<今日のシロクロとメイ>
JUNのインスタグラム
https://www.instagram.com/lightworkerbyjun/