ピアノの全国決勝大会が終わりました。
晴れ舞台での演奏は、いつもより消極的だったかなと、思いました。
本選あとの1週間で完成度をさらに深めるはずが、よく使う右小指を痛めるハプニングで、練習が進まない状態に。
毎日テーピングをしながらできるだけ小指に負担をかけない抑え気味の練習。
そこへ5日間、塾の夏期講習の予定を入れてしまっていました。
まさか全国へ行けると想定していなかったのもありますが、貴重な半日がなくなり、ピアノ練習は朝と夜だけの数時間でした。
指のためには、長時間弾き続けない方がよかったのかもしれないと、不幸中の幸いとして前向きに考える事にしました。
グループ番号も予選本選に比べてとても良い番号をせっかくいただいたのですが。
ここまできて、なかなか思い通りに行かない時もあるものです。
それでも、残りの時間でピアノ練習のために集中しました。
一緒に全力でサポートを続けました。
今回大会直前まで、練習に時間がかかってしまったラフマニノフの難曲。思い切りの良い演奏を目指していましたが、極力目立つミスを避け、出だしは慎重に音色重視で中盤から勢いよく持っていこうと前日に修正しました。
しかし、慎重に出すぎた割に中盤からミスも多かったようで、最後のffも汚い音が濁りました。
そして一番安心できた得意のショパンエチュードが、本選の時よりもやや慎重という出だし。しっかり弾けていたものの、最後の一箇所だけ音が濁ってしまいました。
4曲全て、ほんの些細なミスも許されなかったはずですが。
コンクールって色々な運も揃って初めて良い結果が生まれるから難しいです。
ほぼ全員の審査員の先生方から絶大な評価をいただいた結果やっと入賞できるのですから。
その中でもずっと力を注いできたベートーヴェンだけは今回は、自信を持って一番良い出来栄えだったと思います。
演奏後、更衣室で、他のグループの男の子から、ベートーヴェン、凄かったです!と声を掛けていただけてとても嬉しかったそうです。
ライバル同士ですから、普通は、なかなか他の出場者にそんな言葉を気軽に言えないと思いますが、その方はそのように言って下さり、海くんもそんな立派な彼を見習わなければいけないところです。
最終グループだったため、客席も大勢の方々で席が埋まり、わざわざ海くんの演奏だけを聴きに来てくださった見ず知らずの方もいらっしゃいました。
もしかして期待外れの演奏と思われたかもしれません。
楽しいはずの部活最大のイベント夏山合宿を諦めてまで挑んだ夏休みでしたが、
結果は期待できないまま迎え、やはり今回は、入賞に手が届きませんでした。
終わってから思ったこと。
課題曲を指定曲から選択するコンクールは、曲が易しくても、難曲でも完璧に仕上げなくてはならない。
それなら、簡単な曲を選んで完成度を上げた方がよかったのか?
それも自信を身に付けるための選択肢かもしれません。
しかし、長期間ずっと簡単な曲にかかりきりになり、その後の進みが遅れてしまうリスクがあるかもしれません。
難曲を選んで、たとえ入賞を逃したとしても、それは必ず大きな進歩になったはずだと思います。
どんな方向で進めていくかは、人それぞれですが、色々な勉強をさせていただいたピティナでした。