ピティナ全国決勝大会に行ってきました。
ここまで進めるまでに体調を崩したり、スラーの引き違いなど、直前にも色々ありましたが、何人もの中から選んでいただけて、なんとかケガもなく無事に東京に来られ受けることができただけでも本当にありがたいことです。
全国大会の一週間前には毎年、門下では全国へ進む数人の先生方の門下生が集まり合同のホール練習があります。
この合同練習も2年ぶりに参加できる。この日C級は海くん含め全員3人の男の子です。海くん以外の男の子は毎年本選で一位で全国へ進むかなりの有名人。
最初に弾いたのは6グループの飛び級の子。2番目に海くん。3番目は同じ10グループの学年も同じ子でした。その子と海くんは、2曲とも同じ曲。バッハのサラバンドだけは3人とも同じでした。海くん以外の2人のサラバンドはすごいテンポが速かったです。
同じグループの子も、ゴンドラがすごく元気が良く海くんとは正反対で、また別のイメージが湧きました。でもなんだか個性的で、そんなところがやはり審査員の目にとまるのでしょうか。飛び級の男の子は、いたって大人しめの弾き方ですが、選んだ曲はテンポもみな速く、快活。
そして彼は、いつも色々なコンクールでも一位だったり金賞だったり、そして、海くんが受けたB級の本選でも海くんが3位だったとき一位で、今回も一緒にこのホールで顔を合わせたのです。彼が今回最初の本選で一位を決めたとき、納得でした。ピティナでは今まで全国へ進んでもいつも入選のみでした。
その彼が、何と今回は、全国大会で金賞でした。
当日を迎え、全国大会だけあって、モニターを見るだけでも同じ曲は海君とみんな同じような弾き方です。
海くんはノーミスで4曲弾き、響きも心地よい感じで、丁寧でばっちりだと思いました。そして、2番後に、合同練習を一緒にした個性的な男の子。その時、あれって思いました。明らかに合同練習と弾き方が違うのです。サラバンドもかなり速く弾いていたのが海くんと同じテンポ。そして、ゴンドラまでがあんなに元気よく弾いていたのに、出だしがやわらかく、テンポも落とし、海くんと似たような弾き方でした。彼は銅賞をいただきました。
さて表彰式、期待していたのですが、ベスト賞で呼ばれず、その時、パパはカメラを用意しました。
祈るような気持ちと期待いっぱいで結果に耳を傾けると、全く海くんの番号は素通りでした。そして、海くんの次に弾いた女の子は銀賞。海くんはグループで一番最初だったのですが、よほど評価悪かったんだと思います。
合同ホール練習の次の日、先生が、また別のピアニスト先生を呼ばれ、レッスンを受けさせていただきました。最初ちょっとレッスン料がお高いので、迷いましたが、教室の子が去年受けたらしく、よかったのか今年も呼んで欲しいということで、海外からわざわざそのピアニスト先生を呼ばれたのです。何でもドイツからいらしたそうです。そのためレッスン受けることに決めると、先生も
「やれることは、何でもやりましょう」と。
そのレッスンでは、サラバンドの弾き方少し変えました。いや、かなり変えました。バッハは右手はゴミのようなものと言われ、左手メインの弾き方にしていきテンポを上げました。
ピアニストの先生に
「この弾き方でバッハを弾けたらもうダントツだよ!と言われました。
海くんは、すべての審査員から毎回の講評ではクリアな音色で高評価をいただいています。しかしテンポをあげると音色があまり綺麗にならない。その右手の美しい音色が苦手な左手を出し過ぎたことで消されてしまったのかも。
そして、2曲目のソナチネは
「つまんない曲だね」と言われ、
3曲目のゴンドラは
「これでいいんじゃない」と言われ、4曲目の秋のセレナーデ
「これ、変わったへんな曲だよね~」
と私は素敵だと思ってたのに、そんな事言われてしまい、挙げ句の果てに、
「銀座ヤマハホール?あっそこ嫌いなんだよね~。すっごい弾きにくいよね~」
この言葉で、
私は苦笑いと共に、ちょっと顔が青ざめそうでした。海くん実は元気いっぱいな子だけど、長男なのですごく繊細で神経質で気が小さいのです。
海くん気にしてるかなって思って、家に帰ってからヤマハホールで良かったよね~。銀座だしかっこいいし、それにちびっ子が弾くホールだよ~。小さいらしいし、そんなに頑張らなくても弾けるんなら海くんにぴったりじゃ~ん」と、一生懸命フォローしました。
海くんの今年のピティナのレッスンは先生が海くんは大丈夫よねと、先生が最初からあまり熱が入っていらっしゃらなくB級の子やデュオに一生懸命の感じを受けました。
そして、最初の本選で優秀賞だったあとのレッスンの延長15分間の日が一番先生が熱が入っていたレッスンでした。
全国が決まってからも一度だけのレッスンで、海くんは大丈夫よねと、小さい子達が心配なのと言って、直前レッスンがないままで、当日のコンクール演奏も、B級とE級の子と重なってしまい、海くんだけ演奏を聴きに来てはいただけませんでした。
全国が決まって数日は旅行気分で浮かれてなかなか練習に集中できなかったけど、毎日7時間以上の練習、そして前日は最高9時間練習をするなどして、上位三賞を目標に頑張り一生懸命練習しました。その結果が入選に終わってしまうなんて。
みんなの代表としてこの地区から全国に出場させていただけたのに、何も入賞ができず、あしながコンサートも、全国で何も入賞できなかったのに、本選1位と言うので本当に出場させていただいてもいいのかと正直思いました。
でも、海くんは本当にノーミスでのびのびとした演奏で弾けていたように思います。
私だけは、金賞をあげたい気持ちでいっぱいです。
海くんは、すごく残念そうで、もうピアノ辞める・・・と言っていました。
私もコンクールはもう受ける気がしないと思い、終わってからどっと疲れがきて、毎日頭痛で体調を崩してしまい3㎏もやせていました。
これから先の事は、しばらく考えられないですが、なんとか時間が解決してくれるかなと思っています。