本選が終わりました。
ピティナ常連と言われる子達、いわゆる有名な子達の集まりで、最初の通過で数名抜けてくれてるものの、優秀賞や全国経験などの子達の名前がたくさん並んでいました。
名前だけで前回のように気迫に飲まれそうで、またダメかもという予感さえありました。
前回の地域で一緒に出場しても全く入賞してなかった子達が、別の地域では上位入賞や全国に進出をされたり、会場が違うとこんなに違うのかと、何度選んだ会場に後悔した事でしょう。
予選も1回目の本選もすべて1グループで、そして2回目の本選は3グループだったのですが、時間帯も夜になっているので、ピアノのコンディションは最悪らしいのです。
2度目のチャンスも、残念だけど運もついてなかったんだなって思いました。
今回恐れていたのは男の子達。
必ず上位入賞では入る確率が高いようですが、先生がおっしゃるには、やはり男の子は華奢な子でも力強い音が出せるからだそう。
海くんは全然そんな事はないのですが。
その男の子の人数も63人中17人もいて、みんな過去に飛び級全国とか、名前を見かける子達も何人か。
ますます期待が半減する一方でした。
前回の本選で点数は高得点はいくつかいただいたのですが、お一人だけ予選でも最低点だった8.1があり、それがかなり影響されてしまい優秀賞という結果で終わってしまいました。
その先生のコメントから、うちの先生も海くんに対し今年のコンペのレッスンは普通に弾けているからと簡単に終わっていたので、私もちょっと物足りない気がしていたのですが
「2曲とも明るい音色でしたね」
このコメントと点数にかなり先生も敏感になられ、これは嫌みでいってらっしゃるので、変えていきましょうと、突然火がついたように、その日は15分も延長してまで久しぶりに先生から熱意が感じられるようなレッスンになりました。
先生から盛り上げる箇所を変えてみる提案があり、そのヒントを元に、この一週間、海くんなりに自分自身で音楽を作り上げていきました。そして、音色の表現を作り出すために自分なりに考え、7時間以上もの練習をして、この一週間がかなり厳しいものとなりました。
C級は夕方から夜にかけての時間帯で、ピアノの状態はかなり酷い様子。みんなが暴走したり、音抜けが続出していました。
海くんの順番も3グループで一番最悪なコンディション。
前回の本選では迫力あった曲が、上手い子が弾いているのに音がきたなくなり割れていました。本当ならもっと上手く弾けてるはずなのに。それに引き替え前回迫力のなかった海くんの曲を弾いている子は、なぜか綺麗に遠くまで響いて聞こえていました。
弱い曲の方が有利になってるなんて、こんなこともあるのかと思いました。
この曲では絶対に上位は狙えないとまで、あきらめての2度目の本選。
優秀賞での名前が呼ばれず・・・。
その時、なぜか今まで味わったことのない感覚と涙が出てきました。
つぎは”あしながおじさん賞”の発表。
ここの会場では、あしながおじさん賞に入賞できると、あしながコンサートという権利が与えられるのが、みんなの憧れであり、その賞を獲得したい気持ちでいっぱいです。
優秀賞以上は出演できますが、その栄誉ある”あしながおじさん賞”というのが優秀賞の上位2名と、1位から3位入賞(全国出場者)までの子全員に与えられます。
優秀賞の上位2名のあしながおじさん賞が呼ばれてから
そこで
海くんの名前が呼ばれました。
これで、間違いなく1位から3位に入賞が決定です。
あしながおじさん賞の発表がされて、入賞できた 5人が舞台に揃うと、全員男の子でしたが、こんな事ってあるのねぇと審査員の先生方もおっしゃいました。
そして会場でも、
「男の子ばっかりじゃない」
と言うざわめきが聞こえてきました。
その中で一番最後に名前が呼ばれました✨
夢に見た本選での第1位を手にすることができました。
全国大会に出場が決まりました。
ピティナでは、順調に進んで行けると思っていたら、色々な問題がふりかかってきたこともありたくさん悩みました。
最初の本選で目標の全国には行けなかったけど、よくなかった評価の先生のお陰で、それへ向けて猛練習することになり、とても勉強になり、コンペの苦しさも味わうことができました。
そしてそのお陰でさらに良い音色の表現を見つけることが新しい課題となり、自分の本当の音楽を見つけることができたんだと思います。
悪い評価だと言って落ち込んでいるだけでは、前へ進めない。反対にありがたい評価をいただけたのです。
アメンバーさんからいただいた、たくさんのコメント、いただいた魔法の言葉を練習中に使わせていただき、楽しくレッスンをすることを目標に頑張りました。
ここまでこられたことに感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました。
そして、今回ピティナで思うような結果が出せなかったアメンバー様も
”努力や涙の数ほど強く成長する”そう信じて、次の目標を見つけて前に向かって進めることをお祈りしています。