映画「夜の大走査線」を観賞。

公開は、1967年。

 

 

 

 

第一印象としては、主演の「シドニー・ポアチエ」が、格好良いですね。

映画「野のユリ」での、明るい、コミカルな感じとは、全く、違って、クールで、スマートで、格好良い。

やはり、役者という人は、役柄によって、全く、雰囲気を変える。

 

シドニー・ポアチエが演じるのは、「バージル・ティップス」という人物。

バージルは、列車で帰省中に、列車の乗り換えのために、深夜の駅で、次ぎの列車が来るのを待っていた。

 

一方、この町の巡査「サム」は、いきつけの飲食店を出た後、パトカーで、町のパトロールをすることに。

その途中、路上で、殺害された男性の遺体を、見つけてしまう。

平和な町での殺人事件。

警察署長の「ギレスビー」は、サムに、この時間に、犯人が立ち寄りそうな場所を調べるように命じる。

 

駅に向かったサムは、そこに、一人の黒人男性が居るのに気がついた。

犯人かと思い、身体検査をすると、かなりの大金を持っている。

これは、あの遺体から、盗んだものに違いないと思い、サムは、黒人男性を、警察署に連行した。

しかし、そこで、その黒人男性は、バージルと言う名前で、フィラデルフィアの警察署に勤務している殺人課の敏腕刑事であることを知る。

 

バージルは、一刻も早く、帰省をしたかったのだが、フィラデルフィアの署長から、殺人事件の捜査に協力するように命じられる。

そして、まだ、黒人差別の強く残る、このミシシッピ州スパータという町で、署長のギレスビーと共に、殺人事件の捜査をすることになる。

 

2018年の映画「グリーンブック」も、黒人差別の強く残る地域をコンサートに回る、有名黒人ピアニストと、その白人運転手の話で、かなり、黒人差別の様相が、強く、表現されていましたが、この「夜の大走査線」での、黒人差別の表現は、それほど、強烈なものではない。

それは、恐らく、映画が製作された当時の演出の問題だろうと思います。

 

黒人が、労働者として使用されている綿の農場も登場します。

プランテーションは、黒人奴隷が使われていたことで有名ですよね。

その農場の経営者は、バージルにも、軽蔑をした様子で接しますが、経営者は、バージルを殴り、バージルは、それに対して、即座に、殴り返す。

この時、普通なら、バージルは、殺されていてもおかしくない状況だったということは、後の流れで話される。

 

そして、その後、一人で、捜査に出たバージルは、白人の若者たちの乗った車に追い回され、ついには、廃工場のような場所に追い詰められ、暴行を受ける直前だったところを、後を追いかけて来たギレスビーに助けられる。

 

捜査のために入った飲食店では、食べ物を「お前には、出さない」と言われる。

 

ネットで調べて見ると、実際に、この映画の撮影を、人種差別意識の強い南部で行っていた時に、何度も、嫌がらせを受けたということ。

この映画が、撮影、公開された頃は、アメリカで「公民権運動」が、盛り上がっていた頃だそうです。

 

そして、最後、犯人にたどり着いたところで、バージルは、銃を持った、白人の若者グループによって囲まれ、殺害されそうになる。

さて、どうなるのか。

 

この映画は、アカデミー賞の作品賞、主演男優賞、脚色賞、音響賞、編集賞を受賞しているということ。

ちなみに、、主演男優賞は、シドニー・ポアチエではなく、署長のギレスビーを演じた「ロッド・スタイガー」です。

なぜ、シドニー・ポアチエが、主演男優賞ではないのか。

やはり、人種差別意識があったから、と、言うことになるのでしょうか。

 

さて、この映画。

白人、黒人といった差別問題を抜きにしても、刑事ものとして、とても、面白い。

署長のギレスビーは、犯人ではないかと思われる男を、次々と、捕まえるのですが、バージルは、殺人課の敏腕刑事としての観察力、洞察力で、その誤りを指摘し、次第に、真犯人に、近づいて行く。

 

ちなみに、この映画の音楽を担当したのは、あの「クインシー・ジョーンズ」だそうです。

音楽プロデューサーとして、超有名な人ですよね。

クインシー・ジョーンズにしろ、マイケル・ジャクソンにしろ、恐らく、黒人差別と闘いながら、仕事をしていたのでしょうね。

日本では、やはり、実感として、よく分からないところですが。