この本によると、倉敷の藤戸寺と由加山に「六十六部」の「廻国供養塔」があるということなので、見に行ってみました。
まずは、藤戸寺です。
こちら、藤戸寺です。
この藤戸寺の東を走る道路を見下ろすように、大きなお地蔵さんが、置かれています。
そらが、こちら。
「法界地蔵」ということになりますが、どうも、この、お地蔵さんの設置には、「六十六部」の廻国者が、関わっているようです。
藤戸寺の下を通る道を、見守っています。
「天保四年巳年・冬十月吉祥日・現住者覚識之」と書かれているのでしょうか。
「倉敷住細工人・藤田大吉作」。
「発起世話人・藤屋萬二郎・山本屋勝次郎」
「是主施主・十方信者中」
「〇施・日本廻国行者・江戸神田惣七」
と、書かれているようです。(〇は、どのような漢字なのか、分かりませんでした)
「六十六部」の「日本廻国」をしていたのは、江戸、神田の惣七という人物で、惣七は、廻国の途中、この土地で、この、お地蔵さんを設置するための勧進をした、と、言うことなのでしょうかね。
お地蔵さんのある場所から、盛綱橋の方を見る。
次は、由加山にある「六十六部」の「廻国供養塔」です。
それが、こちら。
この像は、瑜伽蓮台寺と、由加神社を結ぶ途中の門を出たところに設置してあります。
こちらには、「廻国供養塔」の定番である主文「泰納大乗妙典日本廻国」と、その脇には、「天下泰平・国家安全」と記されています。
「日本廻国」の部分が「六十六部」の場合もあれば、「廻国」だけの場合もあるそう。
また、「天下泰平・国家安全(安穏)」の部分が、「天下和順・月日清明」の場合もあるそう。
「本願主岡山・行者蓮道」と書かれています。
この反対側にも、文字が書かれているようなのですが、風化をして、読めなかった。
もしかすると、この「廻国供養塔」が設置された年号が書かれていたのかも知れない。
それが、分からないのが、残念。
こちらの「廻国供養塔」は、「蓮道」という人が、「六十六部」の廻国を終えたことを記念して、設置されたものなのでしょう。
ここに「廻国供養塔」があるということは、「蓮道」は、瑜伽蓮台寺の僧だったのかも知れない。
実は、玉野市八浜のお寺にも、この「廻国供養塔」があるそうで、昨日、行ってみたのですが、なかなか、境内に入りづらい雰囲気だったので、見るのは止めることにしました。
このように、身近にも、「六十六部」の廻国者が、何人も居たということですね。
ちなみに、こちらは、由加山の蓮台寺多宝塔。
こちらは、観音位牌堂。
どちらも、美しい建物です。