今朝の藤井海岸。

朝日が、綺麗です。

 

 

朝早くから、こんなところで、タグボートが、お仕事中。

珍しいですね。

こんなところで、タグボートが、船を押しているのは、初めて見ました。

 

さて、また、この本から、気になったことを、一つ。

 

 

先日、放送された大河ドラマ「べらぼう」で、蔦屋重三郎自身が、黄表紙を書いているシーンがありましたよね。

妻の「てい」さんが、重三郎の黄表紙を書く手が、なかなか進まないのを見て、皮肉を言う場面がありましたが、この本には、蔦屋重三郎が書いた黄表紙「本樹真猿浮気噺」の写真も掲載されています。

主人公の「天野邪九郎」が、珍奇な新商売を、次々と始めては、失敗するという物語だそうです。

 

この「天野邪九郎」という名前は、「天邪鬼(あまのじゃく)」から来ているのでしょう。

昔の人の考える「名前」というのは、見ていると、なかなか、面白いですよね。

 

ちなみに、蔦屋重三郎は、この黄表紙を「蔦唐丸」というペンネームで、書いている。

これは、「ツタが、絡まる」という言葉を、もじったものですよね。

 

さて、蔦屋重三郎は、「狂歌」を通じて、広い人脈を持ったことは、ドラマでも描かれていましたが、50人の狂歌師と、その狂歌を収録している「吾妻曲狂歌文庫」が掲載されていますが、その狂歌師たちの名前が、また、面白い。

 

まずは「尻焼猿人(しりやきのさるんど)」。

これは、「猿の尻が、焼けたように赤い」というとことから来ている名前でしょう。

ちなみに、この人は、姫路藩主、酒井抱一の弟。

 

次に「手柄岡持(てがらのおかもち)」。

これは、あの朋誠堂喜三二の、狂歌師ネーム。

岡持とは、何か、物を入れて、手に持って運ぶことが出来る箱のことですよね。

手柄と岡持を、ひっつけたことには、何か、意味があるのでしょう。

 

次は「酒上不埒(さけのうえのふらち)」。

これは、恋川春町の狂歌師ネーム。

これは、そのまま「酒の上での不埒」ということですよね。

 

次は「宿屋飯盛」。

これも、そのまま、「宿屋の飯盛り」ですよね。

石川雅望という人の名前だそう。

 

次は「鹿都部真顔」。

この人は、商人だそうですが、「シカト」と「真顔」なのでしょうか。

 

次は「花道のつらね」。

綺麗な名前ですね。

これは、五代目、市川團十郎の名前。

あの、東洲斎写楽の大首絵の中にある「市川蝦蔵」本人です。

 

さて、面白い名前といえば、やはり、「尼子十勇士」。

戦国時代、出雲国の戦国大名「尼子氏」に仕えて、活躍をした人たち。

 

山中鹿之助。

五月早苗助(上田早苗助)。

秋宅庵助(秋上庵助)。

尤道理助。(もっともどうりのすけ)

寺本生死助。

藪中荊助。(やぶなかいばらのすけ)

植田稲葉助(植田草苗助)。

今川鮎助(早川鮎之助)。

横道兵庫助。

柴橋大力助。

大谷古猪助。

穴内狐狸助。

小倉鼠助。

深田泥助。

川岸柳助。

井筒女之助。

阿波鳴門之助。

破骨障子之助。(やぶれぼねしょうじのすけ)

高橋渡之助。

荒波碇之助。

 

ウィキペディアから、名前を抜き出すと、10人以上、居る。

どれも、冗談のような名前ばかりですが、実在が、確認されている人物も居るそう。

 

山中鹿之助、秋上宗信(秋上庵助)、横道秀綱(横道兵庫助)の三人は、自身が記した書状が、現存していて、存在が、確実視されている。

また、上田早苗助は、吉川元春の書状に、名前が登場するそうで、存在の可能性が高い。

更に、軍記物に登場する人が、いくらか、居るようですが、個人的には、「軍記物」は、信頼していないので、省きます。

 

ちなみに、江戸川乱歩は「エドガー・アラン・ポー」から来ているんですよね。

久石譲は「クインシー・ジョーンズ」から。

こういう名前って、他にも、居るのでしょうかね。

 

有名なところでは「二葉亭四迷」ですかね。

学校の教科書にも登場する、明治の作家。

この「二葉亭四迷」は、文学に理解の無い父親から「くたばってしまえ」と言われたことから、その言葉をもじって付けたと聞いた記憶がありましたが、ネットで調べると、これは間違いという話。

本当は、これは、自分自身を「くたばってしまえ」と罵ったことから来ているペンネームだそう。

最初の小説「浮雲」を発表する時に、坪内逍遙の名前を借りなければならなかったことから、自分自身の名前で勝負の出来ない自分の不甲斐なさに、自分自身を罵った言葉だということ。

 

この二葉亭四迷の小説「浮雲」は、初めて「言文一致」で書かれた小説として有名ですよね。

それまでは、文章を書くための「文語」と、話す時の「口語」は、違う言葉だった。

この「言文一致」で、文章が書かれるようになったということは、良いことだとは思いますが、そのために、今の人たちは、「文語」の読み書きが出来なくなってしまった。

その点では、残念なところでもある。

 

ちなみに、この「夢酔独事」という本。

勝海舟の父、勝小吉が、自分の人生を書いたものだそうです。

 

 

何と、この「夢酔独言」は、「言文一致」で書かれているという話。

そのうち、読んで見たいところです。