ネットの記事を見ていると、ガザ地区で戦闘を続けているイスラエル軍。

その中で、2万人以上のイスラエル兵が、精神的な病気で治療を受けていて、その中で、1万人以上の人が、PTSDを抱えているという報道がありました。

 

ガザ地区で、ジェノサイドとも言える、徹底的な、壊滅作戦で、ハマスの戦闘員も、民間人も、区別なく殺害をしているイスラエル軍。

その惨状を目の当たりにすれば、攻撃をしている側の兵士もまた、心理的負担により、病気を発症しても、不思議ではないし、むしろ、病気が発症するのが、当然と言える。

 

この、過酷な戦争体験により、重い心理的病を負ってしまった、元兵士。

かつて、日中戦争、太平洋戦争で従軍した元日本兵でも、ようやく、最近になって、元兵士の精神的な病の調査が始まったという報道を、以前、ニュースで見ました。

 

その活動の中心になっている、その元兵士の息子さんのインタビューが、ニュースで、話されていましたが、その息子さんの知っている父というのは、なにも、することが出来ず、ずっと、家の中に閉じこもっていたという話。

病院に行くのでさえも、一人で行くことが出来ず、息子さんの母親、つまり、元兵士の人の妻が、一緒でなければ、病院に行くことが出来なかったそう。

 

父親は、その息子さんとも、まともに、会話をすることが出来ず、息子さんは、父親を、ずっと、軽蔑していたという話。

そして、父親が、亡くなった時も、息子さんは、何とも、思わなかったそう。

 

社会に適応できず、他人とも、まともな会話も出来ず、当然、まともに働くことも出来ない父親。

しかし、その息子さんは、父親が亡くなった後に、何かのきっかけで、父親は、兵士として、戦場に行く前に、書いていた日記を読んだことで、とても、驚いたということ。

 

その日記には、使命感に燃え、何か、人の役に立ちたいと、積極的に行動をしようとする父親の姿が、記録されていた。

それは、息子さんの知っている父親とは、全く、別人だったということ。

 

「父親は、戦争が原因で、変わってしまったのではないか」

 

そう考えた息子さんは、それから、あれこれと調べ始め、同じような経験を持つ人たちと、繋がりを持つようになったそう。

そして、ようやく、国も、調査に動くことになったということでしょう。

 

しかし、あまりにも、遅すぎますよね。

 

さて、この「戦闘体験」による「精神的疾患」で、社会に馴染むことが出来なくなってしまった元兵士。

 

有名になったのは、アメリカの「ベトナム帰還兵」の存在ですよね。

僕は、もっぱら、映画で、その状況を知った。

やはり、代表的なのは、映画「ランボー」ですよね。

 

 

原作は、デヴィット・マレルという人が書いた小説「一人だけの軍隊」。

 

 

映画を見た後、この原作小説も、読みました。

とても、面白かった。

 

このベトナム帰還兵の人は、自分自身、精神的な病で、社会に馴染めなかったのと同時に、社会からも、軽蔑的な目で見られ、排除されていたよう。

主人公のランボーもまた、戦友を訪ねて行った町で、保安官に、非常に、理不尽な扱いを受け、それをきっかけにして、戦場での記憶が蘇り、感情が、爆発し、攻撃に出てしまう。

 

元「グリーンベレー」の隊員で、非常に優秀な兵士だったランボーの戦闘能力に、州兵たちは、歯が立たない。

 

そして、ラストシーンでは、ランボーが、過酷な戦場体験と、アメリカに帰還してからの理不尽な扱いを、感情的に独白。

悲しいシーンです。

 

兵士として、戦場に行き、最前線に立つのは、若い人たち。

そして、戦場で、過酷な体験をし、心に傷を負ってしまった元兵士は、その後、どうやって、社会で生きて行けば良いのか。

 

ガザ地区での戦争も、そう。

ウクライナで行われている戦争でも、若いウクライナ人、そして、ロシア人の多くが、心に傷を負っているはず。

この先、戦争が終わっても、心に傷を負った元兵士は、どうやって、生きて行けば良いのか。