先日、放送された日テレの「さんま御殿」を見ていると、独身者たちが、自身の生活の話をしていましたね。

そして、「一人暮らし」なのか、「実家暮らし」なのかという話もしていましたが、意外だったのは、錦鯉の渡辺さんが、実家暮らしだということ。

今、錦鯉の渡辺さんは、あちらこちらとテレビなどで、よく見るので、収入は、相当なものでしょう。

それでも、実家暮らしということは、親との仲が、非常に、良好で、実家に居ることは、苦ではないということなのでしょうね。

芸人としては、なかなか、珍しいケースなのではないかと想像をするところ。

お金持ちの芸人って、時間に関係なく、遊び回っているというイメージがありますが、それでも、親は、何の干渉もなく、自由にさせてくれているということなのでしょうかね。

 

さて、日本では、かつて、長男が、親と同居をし、結婚をしても同居を続け、年を取って行く両親の面倒を見るというのが、当たり前だったはず。

しかし、今でh、長男を含めて、子供は、成人をすれば、全てが、家を出て、独立をするのが当たり前。

ましてや、結婚後も、親と同居をするということは、かなり、希なケースとなっているのではないでしょうか。

 

しかし、全ての子供が、成人になると、家を出て、独立をするということは、今、日本全国で、大きな問題になっている「空き家問題」と、直結をしますよね。

つまり、親の世代が、マイホームを購入しても、その家を、引き継ぐ子供が居ない。

つまり、親が、年老いて、亡くなれば、その家は、全てが、「空き家」となってしまう。

 

今、僕の住んでいる町でも、近くは、空き家だらけ。

しかし、田んぼを潰したり、空き地を使って、新しい家が、次々と、建設され、売られている。

しかし、その新しい家を、若い夫婦が購入をしても、結局、その子供は、全て、独立をし、その夫婦が、年を取り、亡くなってしまうと、その新しい家は、必ず、「空き家」となる運命。

つまり、将来、「空き家」となる家を、次々と、建設をしている状況。

何とも、もったいない話だと思うのは、僕だけでしょうかね。

 

そして、「成人をした子供が、親と同居をしている」という状況は、日本では、今でも、必ずしも、おかしなことではない。

僕もまた、実家暮らしで、親と同居をしているし、「さんま御殿」でも、堂々と、「自分が実家暮らしである」ということを公表できるのは、日本では、それが、特に、異常なこととは、認識をされないためでしょう。

 

そのために、成人をしてもなお、仕事をせずに、実家に居て、いわゆる「引き籠もり」の状態になる人たちも居る訳で、これは、「親と、成人をした子供が、同居をしていても、別に、不思議ではない」という日本社会の環境が、生み出したものとも言えるのだろうと思います。

しかし、欧米では、「成人をした子供が、親と同居をしている」というのは、かなり、異常なことで、世間体も悪いようですね。

 

アメリカの映画「プロミッシング・ヤングウーマン」の中にも、その状況を表したものがあります。

 

 

映画の公開は、2020年。

この映画、かなり、独得な、不思議な雰囲気を持った映画で、個人的な感覚では、あまり、好まれる映画ではないのかな、と、思うところ。

 

主人公の「キャシー」は、大学医学部に通っていて、優秀な、エリート学生だったのですが、在学中に、親友の「ニーナ」が、同じ学生から強姦されるという事件が起こった。

ニーナは、それを、周囲に訴えますが、誰にも、まともに取り合ってもらえず、自殺をしてしまう。

 

ニーナの強姦被害、そして、自殺に、ショックを受けたキャシーは、自らの将来を捨て、大学を中退。

その後、両親と共に、実家で生活をし、アルバイトをしながら、無気力な生活を送っている。

 

娘のキャシーが、いつまでも、実家に居ることを、両親が嘆くシーンがある。

 

「あなたが、いつまでも、この家に居ることを、近所の人たちに、どう説明すれば良いのか、分からない」

 

つまり、成人をした娘が、両親と、実家で生活をしていることが、周囲の人から、奇異の目で見られる、異常なことだということですよね。

 

しかし、アメリカ人も日本人も、同じ人間である以上、社会に馴染めず、日本に居れば「引き籠もり」になるような性格の人も、アメリカ人の中にも居るはず。

そのような人は、実家を出て、どのような生活をしているのでしょう。

 

明るく、社交的で、自己主張が強く、行動的な印象があるアメリカ人。

その中で、内気で、暗く、消極的で、自己主張の出来ないアメリカ人は、アメリカの社会の中で、どのように生活をしているのか。

もう、随分と昔、このようなアメリカ人を取材したテレビ番組を見た記憶があるんですよね。

 

覚えているのは、一人の内気な、華奢な感じで、メガネをかけたアメリカ人の青年。

日々、生きづらさを感じて、友達もなく、小さな工場で、黙々と働きながら、ひっそりと生活をしていた。

インタビューでも、自分の行きづらさを、訥々と、話していたのを覚えています。

恐らく、日本社会で生活をするよりも、はるかに、アメリカ社会は、厳しい環境なのではないでしょうか。

 

それでも、働いて、生活費を稼ぐことが出来る人は、良いでしょう。

恐らく、どうしても、仕事が出来ない人も居るはずで、そういう人は、実家に居ることも出来ず、身内からの手助けを得ることも出来ず、ホームレスになるか、犯罪者になるか、自殺をするか。

 

そういう人にとって、アメリカ社会、日本社会、どちらが、良いと言えるのでしょうかね。