NHKで放送されたドラマ「ひとりでしにたい」を、全話、録画をしていたものを、お盆休みに、一気見をしました。

 

主人公の「山口鳴海」を演じるのは、綾瀬はるかさん。

39歳で、独身。仕事は、学芸員をしていて、男性アイドルが大好き。

マンションを購入し、一人暮らしをしている。

愛猫と同居。

 

今が、楽しく過ごせれば良いという性格で、将来のことなど、何も、考えていなかったのですが、子供の頃、憧れていた叔母さんが、マンションで、孤独死。

その悲惨な状況を知り、自分の将来を悲観、早速、婚活を始めることになる。

 

しかし、婚活アプリでは、めぼしい男は見つからず、どうしようかと思っていたところ、同僚の「那須田優弥」に声を掛けられる。

この那須田優弥は、官庁から出向で来ている人で、頭は良いが、少し、変わった人物。

この那須田の話を聞き、鳴海は、婚活から、終活に行動を変化、そして、両親のことに奔走をすることになる。

 

このドラマ、漫画が原作なんですね。

漫画も、面白いのでしょうか。

 

 

このドラマでも、語られていましたが、やはり、孤独死というのは、悲惨なもののようですね。

死後、何日も、誰にも、発見されないとなると、遺体は、悲惨な状況になってしまうよう。

恐らく、見た目では、誰なのか、判断が出来ない状態になる訳で、DNA検査などで、身元の確認をすることになるのでしょう。

ドラマでは、遺体の状況を、直接、確認することは避けるようになっていた。

しかし、鳴海の母だけは、叔母の遺体を確認する。

 

かつて、母は、家事、育児に追われ、身なりにも手をかけられない、専業主婦。

そして、叔母は、綺麗で、美人のキャリアウーマン。

叔母は、家に来ては、母に対して、「自分の方が、女として、優れている」と、マウントを取るような行動をしていて、鳴海もまた、叔母に懐いて、叔母に憧れていた。

 

女性の生き方。

難しいところですよね。

結婚、出産と、仕事のキャリアを両立することは、今でも、なかなか、難しいのではないでしょうか。

余程、理解のある、優良な会社でもない限り。

一世代前の昔なら、それは、当然のこと。

結婚をするなら、仕事は辞めるのが当然だった。

 

母と話をしていると、鳴海は、母が、熟年離婚を考えていることに気がつく。

最初は、何とか、熟年離婚を考え直させようと行動をする鳴海ですが、最終的に、母が、それで良いならと、母の考えを尊重することに。

しかし、この熟年離婚の話は、結局、うやむやになって行く。

 

やはり、専業主婦だった女性にとって、離婚というのは、大きなハードルがありますよね。

それは、やはり、経済的なこと。

当然、自分の蓄えなど、ある訳がないし、年金など、微々たるもので、生活が出来るレベルではない。

ドラマの中では、「経済的なことは、何とかなる」と、母は、言っていましたが、恐らく、何ともならない。

もし、実際に、熟年離婚をすることになれば、経済的には、かなり、追い詰められた生活になるのではないでしょうか。

だから、なかなか、離婚は難しい。

 

主人公の鳴海は、お金も、時間も、自分の好きなことに使いたいという性格。

熱中しているのは、男性アイドルの推し活。

そして、気がつけば、もうすぐ40。

自分の孤独な未来に、焦るのは、当然。

 

ちなみに、那須田優弥は、24歳。

ちょっと、変わっているが、鳴海に、好意を持っている。

そして、那須田の影響で、終活にまっしぐらとなった父を説得するために、鳴海は、那須田を、「結婚を前提にした恋人」ということにして、家族の集まりに連れて行き、父を説得しようとする訳ですが、そこで、「誰が、今後、親の面倒をみるのか」という話が。

 

鳴海には、弟が居て、結婚をし、子供も居る。

そして、弟は、姉の鳴海が、両親を見るのが、当たり前だと思っている。

これも、なかなか、大きな問題ですよね。

 

弟は、「姉は、これまで、自由に生きてきたのだから、両親の面倒くらい、みるのが当然だ」と、言う。

鳴海は、「じゃあ、自分が、仕事を辞めて、両親の面倒を見たとして、両親の死後、自分は、どうすれば良いの? 簡単に、元の仕事に戻れる訳じゃない。その後、私の生活は、どうするの」と反論する。

確かに、両親の介護のために、離職をして、その後、どうするのか。

再び、同じ仕事に復帰をしようというのは、不可能ですよね。

経済的に、苦しむことになる。

 

親の将来、自分の将来。

このドラマを見ていると、不安だらけですよね。

僕もまた、結婚をせず、親しい友人がいる訳でもないので、他人事ではない。

年老いた両親の面倒を、どうやってみれば良いのか。

そして、両親の後、自分は、どうやって生き、どうやって死ねば良いのか。

 

色々と悩む、大きな問題ですが、簡単な解決は、無いですよね。

 

さて、そして、最終回に、一つ、大きな話が。

 

39歳の鳴海、そして、その結婚相手という那須田。

 

この二人を見て、「子供は、どうするんだ」と、弟は、言う。

 

年齢的に、結婚をしても、子供を持つということは、なかなか、難しいかも知れない。

女性には、やはり、「子供を産む」という、特別な出来事がある。

そして、それには、「年齢」というものが、大きく関わって来る。

 

子供のことを言われた鳴海は、何も、言い返せない。

このシーンは、何だか、見ていて、とても、辛かった。

 

生きていくって、難しいことですよね。

普通に生きるって、どういうことなのでしょう。

 

そして、「老いる」ということも、難しい。

自分が老いるのと同じように、周囲の人も、老いて行く。

 

そして、やがて、亡くなる訳で、その時、自分が、どうなるのか。

なかなか、不安で、怖いところです。