さて、藤子不二雄漫画の人気キャラクター「小池さん」。
短編では、この「小池さん」が、主人公になる話もあります。
その中の一つが「カイケツ小池さん」です。
主人公の小池さんは、普通のサラリーマン。
しかし、小池さんは、徹底的な、「正義感」を持っている。
そして、それを、口に出し、行動をする、実行力も持っている。
しかし、当然のことながら、小池さんの極端な正義感は、誰にも、相手にされない。
相手にされないどころか、逆に、馬鹿にされ、「正義屋」というあだ名まで付けられて、周囲の人たちに、からかわれている状態。
しかし、ある時、なぜか、小池さんは「スーパーマン」のような能力を手に入れた。
小池さんは、人並み外れた自分の能力を持って、自分の正義を実行することになる。
それは、目の前の小さな悪から、社会的な、大きな悪まで。
小池さんは、徹底的に、その能力で、正義を実行する。
しかし、小池さんの正義は、すぐに、暴走を始める。
そして、ついに、人を殺害。
小池さんは、「悪人は、殺されても、当然だ」と、次々と、気に入らない人を殺して行く。
さて、現在、映画「スーパーマン」が、公開中ですよね。
しかし、どうも、あまり話題になっていない様子。
個人的に、公開二週目に、映画館に見に行こうと思ったのですが、公開時間を見てみると、朝の8時半から、夕方の午後三時頃からの、二回しか、上映をしていない。
公開が、始まったばかりなのに、これだけか、と、疑問に思った。
やはり、人気が無いので、観客が少ないことを想定して、と、言うことになるのでしょうか。
朝の8時半では、早すぎるし、午後の三時では、遅すぎると思ったので、結局、諦めることに。
この「スーパーマン」は、クリプトン星から、地球に送られて来た異星人「カル・エル」ですよね。
そして、地球で「クラーク・ケント」として、育てられることになる。
もし、この時、地球に送られて来た異星人「カル・エル」が、もし、悪い心を持っていたら、地球は、どうなっていたでしょう。
地球は、カル・エルの支配下に置かれ、人間は、どうすることも出来ない。
と、言うことになるでしょう。
様々な「ヒーロー」たちは、みんな、「良い心」を持っている。
しかし、普通の人間は、そうはならないですよね。
いくら、自分が「正義の心」「良い心」を持って、行動をしていると自覚をしていても、「スーパーマン」のような超人的な能力を持ってしまうと、その人は、どうなるのか。
とても、自身の利己的な欲求を抑えることが出来なくなるのではないかと想像します。
この「カイケツ小池さん」で、超人的能力を持って、暴走を始めた小池さん。
この後日譚のような感じになるのが、「ウルトラスーパーデラックスマン」です。
こちら、キャラクターは「小池さん」のままなのですが、名前は「句楽兼人」と変わっている。
利己的な正義感で、世の中を滅茶苦茶にしはじめた「ウルトラスーパーデラックスマン」こと、句楽兼人。
軍隊による攻撃も、句楽には歯が立たず、ついに、小型の核ミサイルを撃ち込まれるが、それでも、句楽は、生きている。
ついに、社会は、「悪」の報道を止め、句楽に、世の中の悪いニュースが入らないように、情報統制を始めた。
句楽は、普通のサラリーマンとして生活を続けているが、周囲の人たちは、句楽を、腫れ物に触るように接する。
ある日、句楽は、かつて、親友だった片山を、家に呼ぶ。
核爆弾による破壊で、瓦礫になった町の中に、句楽の家はあった。
片山もまた、当然、句楽に、警戒をしている。
しかし、句楽は、「ウルトラスーパーデラックスマン」になった自分の悩みを、片山に打ち明けようとするが……。
「句楽! 貴様のやっていることは正義なんかじゃない。お前は、血に飢えた悪魔だ」
と、ある出来事をきっかけに、片山は、句楽に向かって、叫ぶ。
そして、句楽兼人、片山の運命は。