映画「若いお巡りさん」を鑑賞。

公開は、1956年。

 

ネットで調べてみると、どうも、この映画、曽根四郎さんの歌謡曲「若いお巡りさん」が、ヒットしたことで、制作された映画だそうです。

ちなみに、曽根四郎さん本人も、巡査の役で登場し、映画の中で、歌を歌っています。

 

 

この映画もまた、1時間3分と、短いもの。

物語は、上野公園前の派出所に勤務をしている警察官たちの日常。

主役となるのは、「太田」という、若い巡査。

次から次へと、細かい事件が、色々と起きて、巡査たちは忙しく、しかし、ほのぼのとして、なかなか面白い。

 

冒頭、派出所の自転車が盗まれたことが発覚する。

始末書を書かなければならないのだが、先輩の鈴木巡査、山口巡査は、一計を案じ、新人の太田巡査の名前で、始末書を書くことに。

 

警察官といえども、普通の男。

鈴木巡査は、恋人のタバコ屋の娘のところに入り浸り、デートに誘う。

山口巡査は、中華料理屋の娘と交際をしていて、娘の過剰なサービスに、少し、困っている。

高松巡査は、妻が出産間近で、ソワソワしている。

派出所の班長の山村巡査は、娘を、そろそろ、嫁にやって、安心をしたいと思っている。

 

そして、太田巡査は、この山村班長の娘に、恋心を持っている。

しかし、最後は、切ない結末に。

 

さて、太田巡査は、派出所勤務で、様々な出来事に遭遇する。

 

マンホールの蓋を盗んだ、くず拾いの男。

家出娘を、口車に乗せて、連れ去ろうとする、怪しい男。

鎧兜に身を包み、槍を持ち、深夜、徘徊をする怪しい男。

立ち入り禁止の公園内で、いちゃついている若い男女。

自分を、国会議員と思い込んでいる、おかしな女性。

などなど。

 

やはり、1956年という時代背景が、映画を見ていると、色々と、分かって面白い。

 

深夜の公園でいちゃついていた若い男女は、新婚の夫婦。

しかし、家は、大家族で、家では新婚気分が味わえないので、家を抜出して来たということ。

恐らく、男は、家の長男で、両親と同居をし、まだ、未婚の兄弟、何人かとも、同居をしているのでしょう。

こういった家族の中で、なかなか、新婚気分は、味わえないですよね。

 

そして、派出所があるのが、上野公園前ということで、上野駅には、東北方面から、多くの人が来るのでしょう。

その中には、何らかの事情で、家出をして、東京に出て来たという人も、多かったはず。

そして、そういう人たちを、口車に乗せて、犯罪に引き込もうとする人物も、その辺りには、多く居たものと思います。

 

そして、個人的に、興味があったのは、冒頭近くに登場する「くず拾いの男」です。

 

この「くず拾い」を仕事にしている人。

実際に、見るのは、この映画に登場したのが、初めての気がします。

 

藤子不二雄さんの漫画「オバケのQ太郎」に、時折、顔を出すので、昔から、関心を持っていた。

背中に、大きな籠を背負い、火箸のようなものを持ち、それで、ゴミを拾って、背中の籠の中に入れる。

恐らく、拾った「ゴミくず」を、どこかで、買ってくれるところがあったのでしょう。

もちろん、収入は、微々たるものだったのではないでしょうか。

 

確か、漫画の中で、「くず~い。おはらい」というセリフが書かれていた記憶があります。

こういう声を上げて、家から、ゴミくずを貰っていたりしていたのでしょうか。

確か、その声を聞いて、Q太郎が、くず拾いの人を呼び止め、何かを出して、ママに怒られるという展開だったと思います。

 

 

ちなみに、映画の中で、この「くず拾い」は、マンホールの蓋を盗んだということで、太田巡査に捕まります。

これは、やはり、マンホールに使われている「鉄」を目当てに、それを売って、金に換えようというものでしょう。

もちろん、くず拾いよりは、多くの金になるはず。

 

最近でも、岡山市や、その周辺値域で、橋の「銘板」が盗まれるという事件が、相次ぎ、犯人が逮捕されました。

これは、「銘板」に使われている「銅」を売って、金に換えようというもの。

捕まったのは、何と、玉野市の会社員。

確か、裁判の判決では、執行猶予がついていたように思いますが、やはり、楽して、金を儲けようというは、駄目ですよね。