武田一義さんの漫画「ペリュリュー・楽園のゲルニカ」。

以前から、アニメ化されるという話がありましたが、ようやく、12月、映画の公開が決まったそうですね。

 

 

漫画は、可愛らしいキャラクターでしたが、アニメでは、どうなるのか。

戦闘の描写は、キャラクターの可愛らしさに反して、かなり過酷で、その点を、かなりリアルに描くとすれば、実写映画にも負けない、凄い映画になるのかも。

 

さて、この漫画の舞台となっている「ペリュリュー島」に関して。

少し前に、アメリカ軍が、日本軍兵士の遺体を、集団で埋葬をした場所が見つかったという報道がありました。

そして、先日、恐らく、その場所だろうと思うのですが、ペリュリュー島で、35体の、遺骨が確認をされたという報道。

 

戦争が終わって、すでに、80年。

しかし、その戦争で亡くなった日本軍兵士の遺骨の収集は、今も、続いている。

そして、恐らく、遺骨として、日本の帰ることが出来る兵士は、ごく、僅かに違いない。

多くの兵士が、日本から遙か離れた場所で亡くなり、何も、戻らない。

 

詩人、竹内浩三の詩「骨のうたう」では、戦死をした「骨」は帰って来ますが、竹内浩三自身は、フィリピンで行方不明。

つまり、骨も、戻らなかった。

 

 

阪神タイガースの景浦将も、フィリピンで、行方不明。

巨人の沢村栄治は、乗っていた輸送船が、東シナ海で撃沈された。

どちらも、骨も、帰って来ない。

 

今、NHKで放送されている「エンジェルフライト」というドラマを見ています。

主役の、米倉涼子さんたちがしているのは、海外で亡くなった人の遺体を、本国に戻すというもの。

ドラマの中でも、話されていましたが、やはり、ちゃんと、亡くなった人の遺体と対面をし、お別れをしなければ、遺族は、心の区切りがつかない。

 

「戦死をした」

 

と、言う報告だけが、手元に届いたからといって、遺族は、心の整理がつかないでしょう。

しかし、そういう人は、かなり多かったはず。

 

少し、話は逸れますが、先日、ラジオを聞いていると、近年の、「葬式」の変化についての話をしていました。

 

今、葬式は、家でするのではなく、葬儀場で行うのが、一般的になっているのでしょう。

近所の人たちが、葬式を手伝うということも、無くなった。

昔は、盛大な葬式をすることも多かったようですが、今は、こぢんまりとしたもの、身内だけの家族葬なども、増えているよう。

 

しかし、亡くなった人が、付き合いがあったのは、身内だけ、家族だけではない。

身内の他にも、亡くなった人と、親しく、付き合っていた人は、何人も居るはずで、その人たちも、亡くなった人の遺体と面会をし、お別れをしたいと思っている人も、居るはず。

そういう人たちへの配慮も、あった方が良いのではないかという話。

亡くなった人と、生前、親しくしていた人が、「葬式は、身内だけで済ませた」と聞かされ、その人の最期の姿を見ることが出来なかったというのは、心残りとなるかも知れない。

 

ドラマ「エンジェルフライト」では、城田優さんが、遺体を修復する仕事をしています。

やはり、遺体を、出来るだけ、生前と同じ状態に戻すというのも、重要なこと。

生きていた時と同じ、その姿を、最期に見るというのは、心の区切りをつけるという意味でも、とても重要なことなんだなということを、このドラマを見て、改めて、認識しました。