漫画「ドラえもん」の第10巻に、「のび太の恐竜」が収録されています。

 

 

この「のび太の恐竜」は、後に、長編映画「のび太の恐竜」の元となった話で、当時、僕も、映画館に見に行きました。

当時、映画館は、いつでも、自由に、出入りをすることが出来、席は、どこに座っても自由。

漠然とした記憶ですが、映画館の中には、大勢の人が居て、僕は、席に座ることが出来なかったので、館内の端の、地べたに座って、映画を見たような記憶がある。

観客には、子供が多く、上映中も、雑然としていた印象。

しかし、映画の内容自体は、あまり、よく覚えていない。

 

さて、「のび太の恐竜」の物語ですが、スネ夫が、ティラノサウルスの爪の化石を、のび太たちに自慢する。

しかし、のび太は、満足に、化石を見せてもらえず、頭に血が登り「爪の化石が何だ! 僕は、恐竜の全身の化石を見つけてみせる」と、スネ夫、ジャイアン、静香ちゃんに、啖呵を切るんですよね。

そして、結局、ドラえもんに泣きつくことになる訳ですが、ドラえもんは「日本には、恐竜は居なかったから、化石は出ない」と言われてしまう。

しかし、諦めきれないのび太は、自分で、恐竜の化石について調べ、見当をつけた崖で、発掘作業を開始。

そして、恐竜の卵を、見つけることになる。

 

さて、雑紙「ニュートン」に、福井県立大学に「恐竜学部」が誕生したという記事が掲載されていました。

 

 

インタビューを受けていたのは、この恐竜学部教授の、柴田正輝氏。

 

藤子F不二雄さんの「のび太の恐竜」が、雑紙に掲載されたのは、1975年だそう。

この頃、日本では、恐竜の化石は見つからないというのが、研究者の間でも、常識だったようです。

しかし、1982年、石川県で、中学生が、偶然、恐竜の歯の化石を発見した。

同年、福井県立大学の東洋一名誉教授らが、福井県勝山市北谷町の中生代前期白亜紀の地層から、ワニの化石を発見。

そして、1989年、福井県で、本格的な発掘調査が始まり、恐竜の化石が、次々と、発見されることになる。

 

この勝山市北谷町の発掘現場からは、これまで、鳥類を含む、七種の新種の恐竜類が発見されているそうです。

そのイラストも、本文と一緒に、掲載されています。

 

まずは「フクイラプトル・キタダニエンシス」。

日本で最初に学名がついた恐竜で、唯一、全身の様子が分かる日本の肉食恐竜だそうです。

 

次に「フクイサウルス・テトリエンシス」。

イグアノドン類の恐竜で、日本で初めて、全身骨格が復元された恐竜だそう。

 

次に「フクイティタン・ニッポネンシス」。

2010年に、新属新種と発表された、ティタノサウルス形類の恐竜で、全長は、約10メートルだそう。

 

次に「フクイベナトール・パラドクサス」。

2016年に、親属新種と報告された、原始的なテリジノサウルス類だそう。

 

次に「コシサウルス・カツヤマ」。

植物食恐竜として代表的な、ハドロサウルス上科の恐竜。

 

次に「ティラノミムス・フクイエンシス」。

ダチョウ恐竜の仲間。腰の骨の特徴から「ティラノもどき」を意味する学名が付けられたそうです。

 

そして、原始的な鳥類の「フクイプテリクス・プリマ」

中国以外で、初めて見つかった、原始的な鳥類だそうです。

鳥の特徴と、羽毛恐竜の特徴を併せ持つ。

 

日本にも、様々な種類の恐竜が居たんですよね。

しかも、化石として残るのは、ごく希で、恐らく、その何倍もの種類の恐竜が居て、未だ、知られていない恐竜も、たくさん居たことでしょう。

 

本文を読んで、意外に思ったこと。

 

基本的に、恐竜の発掘調査というものは、地表面に現れている化石を、歩いて探すというのが、外国では、一般的だそうです。

つまり、「のびたの恐竜」で、のび太が、やっていたように、化石を探すために「地層を掘る」という作業は、しないようです。

しかし、福井県の発掘現場では、この「地層を掘る」ということで、化石を探す作業をしているようで、これは、かなり珍しいケースだそう。

確かに、やみくもに、地層を掘ったとことで、恐竜の化石が出る可能生は、限りなく低いのでしょう。

つまり、無駄なことはしないということのよう。

 

ちなみに、のび太が発掘して見つけた「フタバスズキリュウ」は、正確には「恐竜」ではないんですよね。

この点、なかなか、面倒な区別があるようですが、素人には、よく分かりません。