少し前から、宇野の小さな港に、気になる船が泊まっているので、散歩がてら、見に行きました。

 

ちなみに、こちらは、海上保安庁の巡視艇です。

 

 

同じ、港の風景。

 

さて、気になっていたのは、この船。

 

近づいて見ると、小さな旅客船のようです。

 

正面から。

 

船の中には、たくさんの椅子が並んでいます。

やはり、旅客船のようですね。

定期便に使われる船か、それとも、観光用の船か。

 

船の側面、後方のデッキの側面に、「大阪市・第16陸中丸」の文字が。

デッキの上にも、乗客席が、並んでいます。

 

こちらは、艦尾です。

 

 

艦尾からデッキに上がる階段が。

 

やはり、船は、艦尾方向から見るのが良い。

 

この「第16陸中丸」について、ネットで調べると、意外なことが分かりました。

 

この「第16陸中丸」は、岩手県宮古市の景勝地、浄土ヶ浜の巡る遊覧船だということ。

東日本大震災の津波被害を免れ、2021年1月に引退。

これは、乗客の減少によって、遊覧船事業を、運営会社が辞めるということだったよう。

船は、香川県の貿易会社に、売却をされたそうです。

そして、同年3月、この「第16陸中丸」は、小豆島に移動したということ。

 

東日本大震災が発生した当時、船は、桟橋に、到着をしたばかりだったそう。

船長だった坂本さんは、巨大な地震の揺れに、すぐに、船にエンジンをかけ、沖合6キロに出たところで、巨大な津波を目撃。

その後、エンジンを切って漂い、元の場所に戻ることの繰り返し。

他の乗組員二人と、寒さを凌ぎながら、たまたま、船に積んであった、パンやインスタントラーメンを食べて過ごしたということ。

船が港に戻ったのは、地震発生から、一日半以上が経った、13日午前10時半。

会社には、3隻の遊覧船があったそうですが、他の2隻は、被災して、廃船になり、この「第16陸中丸」だけが、生き残ったそう。

 

何気なく、碇泊をしている小さな船に、このような、大きな歴史があったとは。

なぜ、小豆島に居るはずの船が、宇野の小さな港に居るのか。

 

港の端には、このような、船を修理する会社があるようなので、この会社に、メンテナンスか、修理にでも、来ているのでしょうかね。

しばらく前から碇泊しているのは、順番待ちでしょうか。

 

しかし、岩手県、小豆島の関連で、なぜ、「大阪市」と書かれているのか。

そこは、少し、疑問です。